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(2話)

 我がカルヴィン公爵領から王都までは馬車で7日。しかし私たち西鬼は高レベル魔術師騎士団、転移魔法で領主館から王都のタウンハウスまで一気にワープです。ちなみに東龍の方々も瞬間移動はムリですが、龍に乗って7日かかる道のりを1日で飛んでこられます。


 到着した翌日、お父様は王宮での定例会議、その会議の間に王子様主催のお茶会が催されました。お茶会には王子様と近い年齢の子供たちとその母親が呼ばれていました。お茶会の主旨を聞かされず連れて来られた私でも “ピン!” と来ましたよ。これは王子様の側近及び婚約者候補の選定お茶会!ですわね。ライゼルお兄様同様、娘大好きお父様が私に王都行きを告げた時の一言、『くれなくてもいいものを』の意味がようやくわかりました。


 お父様、心配いりません。私は婚約者になるつもりは全くございませので、王子様に挨拶だけして後はこの美味しそうなお菓子とお茶を堪能して帰りますから!



「はー、しかし凄いわね。」


 王子様に群がる子息、令嬢を遠目に見ながら『確か友人がよく読んでた小説って、こんな感じの話多かったわね。ヒロインが途中で登場して、悪役令嬢が断罪される。しかもその悪役令嬢は転生者・・・、まさかね。』そんな事を考えながらお茶を楽しんでいた。


「よっ、ヴィー久しぶり。」


 声をかけて来たのはベルナルド・バースタイン。バーンスタイン公爵家の長男で私の数少ない友達で幼馴染だ。幼馴染と言っても、東と西で距離も離れているので会えても年4回ほど。西鬼と東龍の情報交換会議のある時だけ。でも会えば気が合いいつも一緒にいた。


「ベル!あなたも招待されてたのね!」

「当り前だろ。東龍跡取りをまず呼ばず誰を呼ぶ。」

「でもライゼルお兄様は来てないわよ?」

「ライゼルは22歳だろ。今日呼ばれてるのは11歳から15歳までの公爵から伯爵までの子供。お前なんも聞かされてないのか?」

「うん。お茶会に出るように言われたけど、言ったお父様が『行かせたくない』的な事をおっしゃってたし。」

「ははは、娘大好きラファエル様らしいな。」


 その後もベルとお茶を楽しんでいたのだが、後ろに気配を感じ2人同時に振り向いた。さすがベル、私と同時に気配に気づくとは。

 その気配の主はアルバート王子だった。少し離れた所からこちらに向かってきた。


「ベルとヴィオレッタ嬢は楽しそうだね。」

「ああ楽しい。」


 10歳を超えた頃からちょくちょく王宮をバーンスタイン公爵バッカス様と共に訪れているベル、慣れた仲なのかアルバート王子と気さくに話をしている。


「じゃあ僕も仲間に入れてもらおうかな。」

「えっ、座んのかよ。」

「座るよ。僕もヴィオレッタ嬢と話したいしね。ベル邪魔だしどっかに行ってくれていいよ。」

「なっ!行かねえ。ヴィー1人残してアルと2人っきりにしたら、後ろの奴らにヴィーが何言われるかわかんねえし。」

「うーん、でも2人っきりにならなくても言われると思うけど。ベル、君の人気も高いでしょ?さっきからずっとヴィオレッタ嬢と2人きりでいるのを歯ぎしりして見てた女の子いっぱいいたしね。そんな所に僕まで来たらね。」

「そう思うなら来るなよ。」

「ダメだよ。僕は今日、参加してくれた全ての人と話をしなきゃいけないし。まだ話をしてないのはヴィオレッタ嬢だけなんだ。それよりベルはヴィオレッタ嬢を愛称で呼ぶほど仲がいいんだね。」


 私そっちのけで話をしてるけど、何だか2人の空気が重い。この2人仲がいいの?悪いの?東龍と仲が悪いってアルバート様大丈夫かなー。

 その後もお茶会が終了するまでピリピリ空気のまま3人でテーブルを囲むことになってしまった。しかも遠巻きには鋭く痛い視線を浴びながら・・・。




「ヴィー、今日のお茶会はどうだった?」


 お父様が夕飯時に尋ねられた。


「疲れたわ。でもベルと久しぶりにいっぱいお話しできて楽しかったわよ。」

「ん?でも楽しかったって表情じゃないね。」

「うん・・・」

「途中からアルバート王子もテーブルに加わって話してたからかな?」

「お母様見てたの?」

「見てたわよ。子供たちのいる所から少し離れてたけど、どこの親も目をこらして見てたわよ。」


 マジかー。これは余計にこれから色々と言われそう。


「待て待て、何がどうなった?全く話が通じん。」

「あっ、あのね、ベルと話してたら他の方のもとを離れて王子様が私たちのテーブルに着いたの。それから結局最後まで王子様も席を立たないし、ベルともピリピリしてるし、周りの視線は痛いし・・・」

「あのクソ坊主どもめ!!」





 お茶会から3日、王都のタウンハウスではトレーニングがほとんど出来ない。お父様は会議、お母様はお茶会で連日出て行かれるし1人で留守番は暇だわ。あと3日もここにいるの嫌だなー、体も鈍っちゃいそうだし、私だけ先に帰してもらえないか今晩お父様に交渉してみようかしら。そんなふうに考えていた私、王宮から帰って来られたお父様はすごく険しい顔をしていた。

『何か問題が起こったとか?これ以上滞在が伸びるのは嫌だし、やっぱり先に帰らせてもらおう!』そう決心し、きげんの悪そうなお父様に意を決してお願いしてみる事にした。


「おかえりなさい、お父様。」

「ああ、ヴィーただいま。」

「お父様?お疲れの所申し訳ないのですが、お願いがあります。」

「ん?疲れなんてヴィーの顔を見たら飛んでったよ。でっ、お願いって何だい?ヴィーからお願いって珍しいね。」


 あっ、険しかった顔がとろけた!これはいけるかも!


「あのね、王都にいても私1人屋敷でお留守番でしょ?それなら向こうに私だけ先に帰っちゃダメかしら。体もにぶ・・、向こうでレッスン受けてる方が楽しいわ。」

「・・・・」


 あら?お父様が黙り込んでしまったわ。交渉失敗?


「そうか!よし、ヴィー、今から送って行ってあげるよ。お父様はとんぼ返りで戻るけど、向こうにはライゼルもいるし淋しくないね?」

「ええ、それは大丈夫ですけど、荷物もまとめなきゃ。送って頂くのは明日でいいですよ?お父様もお疲れでしょ?」

「いや、今から行くぞ。荷物は明日トミーに届けさせるから。」

「ちょ、ちょっとだけ待って。大事な物だけ持ってきますから。」


 何がどうしたのか全く分からないけど、とりあえず私は領地に帰れるらしい。お父様もご機嫌になったのでバンザイでいいのかしら?お父様の気が変わらないうちに準備をしなければ、私は急いで自室に戻って準備をした。


 その頃応接室では、お父様、お母様、そして執事長のトミーで話し合いが行われていた。


「ヴィーは今日の昼から体調を崩したため領地に帰した。これで行く、いいな。」

「わかりました。城からの使い、お茶会の招待全てお断りします。」

「私も明日のお茶会で、それとなしにヴィーは帰ったと話を出しておきますわ。」

「うむ。じゃあ俺はヴィーを送ってライゼルに簡単に説明して戻ってくるから。」

「「はい。」」


 なんの為の偽装工作なのか、なぜお父様が急ぎ領地へ戻したがったのか、この時の私は帰れることが嬉しすぎて考えることもなかった。


昨日上書きをするのを忘れていたら、手元がくるってポチッとクリック押しちゃって半分くらい書いてたものが消去されてしまった・・・。

せっかく連日投稿しようと頑張ったのに・・・。そこで気力が切れて投稿できませんでした。

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