『月夜の甘露。』
夏の名残を惜しみつつ
涼しい秋風に吹かれ、
やがて来る冬に備えるかのように
食もなんとのぅ旺盛になる秋………。
十五夜の翌日の お月さまは
十六夜言うんよ、
「ほぉ?」
なんでか知ってる?
「知らんなあ、」
十六夜はな~、
ぐずぐず躊躇ってる様子を表現した言葉でな、
満月の翌日は、前の月より出が遅れるんで、
お月さんが昇るんをためらってるように見えるから
そう言うんよ、
「ふーん、なるほどな~」
その次 17番目は
立待月 って呼ぶの、
『さーて、日も暮れたし、
そろそろ、昇かんとな~』て 、
立って待ってるうちに 昇る月♪
「ちょい、待たせたな~ってか?」
ん♪、
ほんでな?
18番目の お月さんは
立って待っとっても
なかなか昇らん…
『疲れるしぃ 座って待つか~』って、
思た頃に昇るさかい居待月
「呑気なお月さんやな~」
「待つほうも、待つほうやけどやな~」
いつもやがな、誰かさんは、
ウチなんか、
いつも待たされてる、
来んな~
来んな~って、
首、のびてもうた~でー
ついさっき…
やっと、きましたんえ?
居待月
「苦笑、、、」
こないしてなぁ…
確実に時は 刻まれる
終いに向こうて…な、、、
明日は 寝てからやないと
昇ってきぃひん 臥待月
来るんが、遅すぎて
寝てもうたがな、
まさか、あんさん、、、
朝帰りやおまへんやろな~?
「仕事やがな~」
ウチと仕事、どっちが大事なん?
女の小言は長い、
お月さんも負けますやろ~
そんでも、
言い訳は、藪から蛇いいますから
言い訳はあきません。
こういう時、おなご黙らせるんは、
唇を合わせるのが粋というもんやろな~
甘露、甘露………。