プロw 登場
短い更新です
めでたいことだ。早朝と朝の猟でポイズンラビットが、すでに一〇羽も駆除できたのだ。
「やりましたねぇ〜〜♪」
「今夜は豊猟を祝して、乾杯ですな」
確かに、それだけの価値がある猟である。
「だが忘れてもらっちゃ困るぞ。俺たちの最大の目的はカメロン駆除なんだからな」
そう、レジェンド級の怪鳥を駆除してこその、猟果である。そこを忘れてはいけない。
「そうは言ってもね、カムイ。やっぱり現金は嬉しいわよ……特に今回は冬装備で、すっからかんになってるんだから……」
「嫌なこと言わないでくれよ」
「だから、猟果の喜びはひとしおって言ってんのよ」
まあ、寂しく厳しい懐具合はさて置いて。
「時にマミ、妖精は健在か?」
「さっきから髪の中で、アップしてますよぉ」
「アタシに用かしら?」
妖精リンダが、マミの髪の中から顔を出した。どことなく顔の彫りが深くなっている。そして鼻から頬にかけて、謎の斜線が伸びていた。
なにか悪いものに影響を受けたか? 純粋な子供にはよくあることだ。自分のカラーが無いから、すぐ周囲の色に染まる。
「おぉ? リンダさん、今日は何か男前ですねぇ」
「マミ、ここから先はプロの時間よ? 依頼主はカムイ……あなたね?」
きっと小説の「ポルコ13」あたりにでも影響されたのだろう。まあ、子供はノセておくに限る。
「ビジネスの話だ、リンダ」
俺も調子を合わせた。
「これから俺たちはカメロンを捜すため、四方向に散る。ひとつはマミとライゾウのペア、もうひとつはサンペイとデコ。俺は単独、そして……」
「アタシにもうひとつの方角を探索しろ、という訳ね? ……報酬は?」
「ハチミツの小瓶と金平糖、これでどうだ?」
ハードボイルドな眼差しで、妖精は低く口笛を吹いた。
「たまわろう」
「よし、決まりだ。それじゃあ今言ったペアで、それぞれ探索を初めてくれ。集合時刻は……昼前にはここに集まろう」
レジェンドを求めて、いざ探索のはじまりだ。
東西南北に別れると必然的に、早朝猟をおこなった方角へ探索する者が出る。無駄はいけない。北東、南東、南西、北西に別れる。
北東北西の二方向には、マミ・ライゾウとサンペイ・デコをあてる。ライギョの池を含んだ方角ではあるが、だからこそ徹底的にこの区域を洗い出す。その旨を含めて送り出す。
俺は南東、リンダは南西。今日はまだ足を踏み入れていない領域だ。それ故に安全第一。決して無理をしないというのが方針だ。
これは四人のメンバーにも言っておいたのだが、カメロンまたはポイズンラビットを見かけても、決して発砲してはならない。どちらの獲物も発見場所を記録。そしてその生態を観察。さらにはどの方角に去っているか? あわよくば寝床も押さえてやりたい。
ポイズンラビットにせよカメロンにせよ、俺たちはモンスターのことをあまりにも知らな過ぎる。よく観察、さらに推察。ギルドには悪いが彼らも知らない、研究家を擁するアカデミーでさえ確認できていない、猟師仲間だけの情報が欲しいのだ。
そうでなければモンスター駆除という仕事がアカデミーに盗られ、目隠し耳栓の状態でギルドのいいように現場へ放り込まれる事態を招く。




