伝説への挑戦者
短め更新です
とまあ、そんな生きるレジェンドをどうにかしてくれと来たもんだ、この女は。
「すごいな、オイラたち。そんなレジェンドに挑めるのかよ」
待てライゾウ、冷静に考えろ。お前も俺もそんな腕か?
「ままままあ、フランキの名にはちょっと足りないかもだけど、ふふふ不足は無い獲物よね」
知ってるかデコ、そういうのを「盛大な死亡フラグ」と言うのだぞ。
「リンダさん、カメロンって御存知ですか?」
「見たことは無いけど、すっごく怖い鳥だって聞いてるわ」
マミは当たり前な顔で妖精と言葉を交わしていたが、アドリア女史とサンペイは目を剥いて驚いていた。まあ、これが普通の反応なんだがな。
「……驚きましたね、カムイさん。チームしおからには、妖精までいたんですか?」
「初対面でしたか? まあ、一応ね」
「昨日は姿を現さなかったようで御座るが」
「蜂蜜なめて寝てたのかもな。基本的に妖精はマミの友達であって、チームのメンバーではないから」
そうだ。妖精をメンバーにしてしまったら、周りから何を言われるかわかったものではない。人類にはオーバースペックな鉄砲を保持していながら、俺としてはあまり目立ちたくないのだ。これは鉄砲猟師としての習性なのかもしれない。
「とりあえずダンナ、受けるんだよね? カメロン駆除」
「そうよ、ここいらで一発男になってごらんなさい」
ションベン臭い小娘に、んなこと言われたくないわい。
「カムイ隊長、なかなか面白い依頼だと思いますぞ」
「そうかね」
サンペイもそう言うが、気がかりがある。
「アドリアさん、ギルドは簡単にカメロン駆除と言うが、そんなに楽なものではない。駆除失敗の場合、違約金などは発生するのかな?」
美貌の秘書は首を横に振った。
「伝説クラスの怪鳥ですよ。違約金までつけたら、挑戦者がいなくなりますよ」
「俺たちにも無理だろ?」
「ギルドにおけるチームしおからの評価というのは、カムイさんが思っているより高いんですよ? ベテランの隊長にエースのスナイパー。サブのフランキさんに機動力のライゾウ君。さらには北の秘密兵器マタギのサンペイと、かなり強力な部隊編成ですよね」
「俺以外は小僧と小娘だ」
「そうですね、評価の半分は期待値ということで、納得いただけるかしら?」
「……………………」
まあ、カメロンのような高レベルモンスターを倒すとなれば、俺たちの長距離砲しかあるまい。
「いかがなさいますか?」
「足跡の目撃地点とポイズンラビットの分布、それからギルドからどれだけ支援を募れるか。詳しく話してくれ」
準備のよすぎる秘書は地図を広げた。ポイズンラビットは森の奥、ギリギリ冒険者たちが材料採取などをする地点で目撃されている。そしてカメロンの足跡も、その近辺に集中しているそうだ。
「個体は一羽かな?」
「繁殖期も過ぎましたし、こんなレア物が群れを作っているとは考えにくいですから」
「隊長、シカはまだ山から降りてきません。本格的に雪が積もってからですから……一〜二週間は猶予があります」
「ポイズンラビットの駆除とあわせて、そのくらいの駆除期間として契約だ。期日を過ぎたら駆除失敗と考えてくれ、俺たちはシカ撃ちに移る」
「わかりました、それではお願いしますね」
チームしおから、伝説へのチャレンジ決定だ。




