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終
「警部、お待たせしました」
「おう、どうだった」
「ご覧になった通り、死因は頭部への一発ですね。女の手にしていた拳銃の弾で間違いありません。赤石の部屋から持ち出したものだと思われます」
「ま、そうだろうな。二人は恋人だったのか」
「ええ、そのようです。片方はひどい錯乱状態でしたので、今は鎮静剤を飲ませて寝かせてあります。話を聞くにも、しばらく経たないと厳しいでしょう」
「そうか」
「女の持ち物から、メモが見つかりました。それと調べを合わせると、まず、女は赤石の元恋人。そして男は、赤石が起こした事故の、被害者の元恋人でした。立場はそれぞれ違いましたが、三年前の赤石の事故の関係者だった訳です」
「……皮肉な運命だな」
「ええ……しかし、不気味な光景でしたね」
「……そう言ってやるな。同じ状況にでもなりゃあ、自分がそうなるかもわからん」
「でも……やっぱり、ちょっと不気味でしたよ。
彼女の死体に、延々と語り続けるなんて――」