序
最初は四百字詰め原稿用紙一枚に収まる内容でした。
それを発展させてみると、どうも不思議な形式のお話になりました。
いや、なりそうです。
ミステリーより、恋愛要素が強くなるかもしれません。
プロットを立てていないと、先が見えないのです。(汗)
なるべく頻繁に更新していくつもりです。
……できるのだろうか……。
君の手には、銃が握られていた。
ドラマやら映画で見たことがあるような、拳銃だ。
「これで、終わりなの」
震える声でそう言った。
「待て、やめてくれ!」
俺の言葉も虚しく、愛する恋人が銃を構える。銃口が怪しく光り、どうにも恐ろしくて堪らなかった。足が竦む。
これで、俺たちは終わるのか。こんな終わり方で。
鼓動が速度を上げる。これから先の分までも、打ち鳴らそうとするように。
君の指に力が入るのが見て取れた。
「ごめんね……じゃあね」
――君が指を目一杯まで折り曲げたそのとき、音は一斉に消え去った。ただ目が捉えた景色はスローモーションで流れていく。
なるほど、本当にコマ送りの世界は存在したのだな。そう感心する余裕があるほど、長い時間に感じた。
膝から地面に落ち、強く打ち付けた。打ち付けたはずなのに、もう痛みなど感じなかった。そして、まるで赤ん坊のように、這いずり君にすがる。
……そうだ、君と出会ったのは俺がまだ大学生の頃、面接を受けに行ったとき。
緊張であたふたしている若造に、君が声を掛けてくれたときだ。
それから、連絡を取るようになって、色んな所に出かけて……。君といた景色が、次々に頭に流れる。
そうだよ、今でも、よく覚えている。