今日の京加
ジャンルはその他でございます。
「おはよう、昨日ぶりだね」
京加はにこりと笑った。
彼女は今日もスカートを穿いている。お花柄のスカートが好きだという彼女だが、たまに短パンを穿いてくることがある。気分によって変わるのだろう。
「私ね、イチゴが好きなんだ」
それから少し話して、そして別れた。
次の日のことである。
「おはよう」
京加はにこりと笑った。
彼女は短パンを穿いていた。手にはクレープとレジ袋。中には、黄色の物体が入っていた。
「これね、バナナなんだ」
それから少し話して、そして別れた。
次の日のことである。
「おはよう」
京加はにこりと笑った。
彼女はスカートを穿いていた。手にはレジ袋。中には赤色の物体が入っていた。
「これね、イチゴなんだ」
「イチゴもバナナも好きなんだ。ボクはイチゴが無理かな」
「え」
京加はきょとんとして、言った。
「私、バナナ食べれないよ」
どういうことなのだろう。
「……京加、ボク達、何日ぶり?」
「えっと――」
――一昨日ぶりかな。
京加と別れた後のことである。
「おはよう」
彼女はバナナを食べながら、手を振っていた。
すれ違って、偶然会って。