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プライム・レディ  作者: 河野 る宇
【止まらない時間】第1章~突き刺さる記憶
16/23

*教え

「お互いに想い合ってるのにどうして会わないんですか!?」

「いま会っても、彼はきっと褒めてくれないわ」

 愁いを帯びた微笑みで応える。

「は……?」

 男は当惑したが、すぐに切り返した。

「何を言ってるんです、彼は不死だがあなたの時間は限られているんですよ」

「!?」

 ピクリと眉をひそめる。

「彼はいま近くにいるんです」

「! 近くに?」

「車も用意してあります。今すぐに行きましょう!」

 促すようにエリザベスに近づいた──

「!?」

 男は銃口を突きつけられ体を強ばらせる。

「ど、どういう事ですか?」

「確かに私たちは年を取る。それが普通……彼が不死なのが変。それでも会えないの」

 解ったなら帰ってちょうだい……彼女はヘンリーに言い放つ。

「……」

 男は周りにいる2人のガードを一瞥する。そして彼もまた彼女に銃口を向けた。

「!」

 その顔は先ほどの快活な青年のものではなく、何かを企んでいる悪魔の表情だった。

「……っ」

「動くな! 動くとお嬢様を撃つ」

 構えたガード2人に声を張り上げ、彼女の向けるハンドガンをさして警戒する事もなく口を開いた。

「銃を下げな。そんな危険なオモチャ、あんたには似合わないぜ」

「……」

 差し出された手を一瞥しクスッと笑いかけた。

「あなた、これは虚勢だと思ってる?」

「!」

「生憎、私はあなたと違って本当に彼に色々と教えてもらったの」

「奴と一緒にいたのは一週間くらいだろう。その間に何を教わるっていうんだ」

「色々とよ。多分あなたよりも上手いわよ」

 張り詰めた空気が部屋を満たす──

「!」

 一瞬、気を逸らせた男に引鉄ひきがねを引いた。

「ぐっ!?」

 みごとに男の右腕に命中し、痛みで銃を落とす。

 すかさず2人のガードが男を拘束した。

「くっ……この跳ねっ返りめ」

 男の捨て台詞にニコリと笑いかけた。

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