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朱い橋  作者: 飴屋


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19/20

19・

月夜のなか朱塗りの門を見上げると、三羽の鴉がとまっていた。


「なぜ、門を開けたんだ?」


鴉たちは目を開けると、つまらなそうに答えた。


「脅された」

「子どもに訊くがいい」

「あの龍の子どもだ」


「じゃあ、なぜまだ開けたままなんだ?」


あの少女を部屋まで送って、戻ってきた。

月は傾きかけ、それなりに時間は経っているのに、門は開いたままだった。


「眠い」

「どうせ、誰も通らん」

「いや、通れん」


あぁ。そうだ。

この門の先には、橋があるだけ。

この郷の住民は誰一人、橋を渡れない。

…住民なら。


「門が開いていると、()()()からも、橋が見えてしまう。…彼女以外に客はいらない。早く、門を閉めるように」


「全く」

「鴉使いが荒い」

「眠い」


ぶつくさ文句を言いながらも、門の扉がゆっくりと動く。

大きな扉は、音も立てず静かに閉まった。

鴉たちも目を瞑ったまま。


「おやすみ」


特に返事は期待していなかったが、去り際、カァと一羽だけが返事をくれた。



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