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左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~   作者: 出雲大吉
第7章

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第249話 あれ?


 勉強会は夜遅くまで続いたが、さすがに22時を超えた辺りで解散となる。

 ホテルに戻るために歩いていくが、方向が同じクヌートとゾフィーと一緒だった。


「本部長、楽しそうだったな」

「そうね。良かったわ」


 今回の勉強会を企画した2人が満足そうに頷く。


「俺はともかく、お前らは顔を合わせているだろうに」

「そうでもないがな」

「本部長と仕事の話をすることもないしね。それにやっぱり家に行かないと。昔は毎日のように行ってたし、何よりもあんたが住んでたでしょ。それが今は1人……」


 なんか実家に帰らない子供達を悲しむお母さんみたいに言ってるが、一応、カルステンがいるんだけどな。


 俺達が歩いていくと、ホテルと家の分かれ道までやってきた。


「じゃあ、ここでな」

「ああ。帰りは見送りに行かないからここでお別れだ」

「見送りなんか行かないし、ジークもいらないでしょ」


 いらないな。


「お前ら、来月の試験は受けるんだよな?」

「ああ。これから勉強になるから怪しいがな」

「私は多分、無理。それでもやれることはやるわ」


 2人はやる気を出している。

 あとひと月でどれだけやれるかはわからない。

 でも、目指して努力をすることが大事だ。

 それだけで次の試験が違う。

 ここで次の試験からやると言う人間はいつまで経ってもその場に留まり続ける。


「頑張れ。俺にはちっともわからないが、頑張れば報われると思うぞ」

「一言多いんだよ」

「あーあ、2級に落ちてくんないかなー。マリーと乾杯できるわ」


 あんなもんに落ちるわけないだろ。


「じゃあな。また来月」

「ああ。世話になったな」

「またね。3人娘と支部長さんによろしく」


 2人と別れると、ホテルに戻った。

 そして、風呂に入ると、ウィスキーのロックを片手に夜景を見る。


「ジーク様、勉強会はどうでした?」

「何の意味もないものだった。もう皆、1人でやれるし、ただの雑談会だったな」


 勉強してたか?


「そうですか? 楽しそうでしたよ?」

「ああ。楽しかったよ。昔を思い出したし、俺も含めて、皆大きくなったなって思った」


 あの広かった共同アトリエが狭く感じた。

 ゾフィーはあんま変わってないけどな。


「やって良かったですね」

「そうだな。いつかウチの弟子達も同じことを思うんだろうか?」


 今はエーリカの家で勉強会をしている。

 しかし、3人娘がもっと上に行き、1人で勉強できるようになったらもう集まらないかもしれない。


「大丈夫ですよ。ジーク様達はエーリカさんに頼りきりじゃないですか。これからも同じような感じでいくと思います」


 それはそれでどうなんだろうか?


「寝るか」

「ええ。明日はリートです。またいつもの日常ですよ」

「そうだな」


 俺はウィスキーを飲み干すと、ベッドに行き、就寝した。


 翌日、いつも通りに起きたのだが、昨日の疲れが残っているような気がする。


「んー?」


 なんか調子が悪いな。


「どうしました?」


 ヘレンが聞いてくる。


「いや、何でもない。朝飯に行こう」


 部屋を出ると、3人娘と合流し、最後のバイキングに向かう。

 3人娘とヘレンは相変わらず、わいわいと騒ぎながら楽しそうに食べていた。


「んー? ジーク君、それだけ?」


 レオノーラが聞いてくる。

 俺はパンとフルーツだけなのだ。


「ちょっと食欲がない。色々と疲れたのかもしれん」

「色々あったからねー……ごめんねー。疲れたら言うんだよ? お姉さんがおぶってあげるから」


 お姉さんが潰れるな。


「大丈夫だよ。今日はもう帰るだけだし、帰ったら早めに休む」

「それが良いよー」

「というか、明日は休んでも良いんじゃない?」

「そうですよー。ジークさん、試験作りとかで大変だったじゃないですか」


 アデーレとエーリカが勧めてくる。


「大丈夫だっての。いいから食え」


 早くその山になっているフルーツを食べるといい。


「いただきまーす」

「おいひいね」

「良い旅行だったわ」


 3人娘とひたすら食っているヘレンを眺めながら俺も食べる。

 そして、朝食が終わると、チェックアウトし、空港に向かった。


「楽しい旅行もここまでかー。でも、来月も来るんですよね」


 アデーレもだが、エーリカの中では今回の王都が旅行になってるな……


「来月は国家錬金術師試験だね。8級かー……」

「私、7級……」


 このままのペースで勉強と練習をしていけば大丈夫だと思うがな。


「明日からまた勉強会をするか」

「ですねー」

「やるぞー」

「よし」


 3人娘がやる気を出したところで飛空艇に乗り、飛び立つ。

 そして、長い時間をかけて、リートにやってくると、寮のアパートの前で解散した。


「ふう……」


 荷物を整理し、テーブルにつく。


「ジーク様、お疲れですか? 飛空艇でも口数が少なかったようですが……」


 ヘレンが心配して、顔を覗いてきた。


「試験問題や魔石、さらにはレオノーラとクヌートの件があったからな。それでかもしれん」


 あと、アデーレの爺さんと本部長が風邪を引いた件。

 今回も王都に行ったら色々あったわ。

 もしかして、来月もだろうか?


「やはり今日は早めに休まれるべきですよ。今夜は寝る前のウィスキーもダメです」


 ダメか。

 まあ、ヘレンが言うならそうするか。


「わかった。さて、洗濯とかをするか」

「お手伝いします」


 何を?


 その後、洗濯や掃除なんかをし、夕方になると、エーリカのところに行き、皆で夕食を食べた。

 さすがに今日は勉強会はせず、早めに解散となったので風呂に入り、就寝した。

 しかし、まだ夏だというのになんか寒い。

 異常気象だろうか?


お読み頂き、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
馬鹿は風邪をひかないんやない 風邪を知らんのや
アレかな? 風邪でも引いた?
嫁達の看病シーンを書かずに居られんくなったらしいw
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