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左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~   作者: 出雲大吉
第6章

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第243話 アットホームな職場です


 翌朝、いつものように朝食のバイキングを満喫すると、この日も本部長の屋敷に向かった。

 そして、本部長の寝室に向かう。


「師匠ー、起きてますー?」


 扉をノックしながら声をかける。


『おー、入れー』


 扉を開け、中に入ると、本部長がベッドの縁に背を預け、本を読んでいた。


「もう大丈夫ですか?」


 顔色も良いし、元気そうだが……


「ああ。熱も下がったし、問題ない。一応、今日も休むが、明日からは復帰する」

「なら良かったです。俺達はアトリエで作業をしていますが、寝ててください」


 病み上がりに無理をすると、ぶり返すからな。


「そうする。昼飯を頼むぞ」

「わかりましたー」


 エーリカが笑顔で頷く。


「では、アトリエにいますので何かあったら呼んでください。あと、クリスが夕方くらいに来ると思いますよ」

「あいよ」


 俺達は寝室を出ると、アトリエに行き、それぞれの作業を始めた。

 魔石を作りながらチラッと3人娘を見ると、ああだこうだ言いながら杖を作っている。


 Bランクってところだな。

 良い材料だし、そこそこ良いものを作れそうだ。

 でもまあ、殿下には渡せないな。


 その後も作業をし、昼になると、昼食を食べた。

 そして、午後からも作業を続けていく。


「どれくらいでできそうだ?」


 俺の見立てでは明日にはできそうだが、一応、3人に聞いてみる。


「えーっと、どうですかね?」

「どこまでかによる」

「装飾なんかをやらないなら明日?」


 3人が首を傾げた。


「ベースだけでいい」


 本部長が見たいのはこいつらの腕だから細かいところまでやる必要もないだろう。


「じゃあ、明日ですね」

「うん。昼前には終わるんじゃないかな?」

「質は置いておいてね……」


 質はBランクで十分。


「じゃあ、今日は帰るか。俺も魔石ができたし、ちょうどいいんだ」

「見せて、見せて」


 レオノーラが手を伸ばしてきた。


「まあ、待て。エーリカ、アデーレ、これのランクはわかるか?」


 2人に魔石を見せる。


「「A」」


 即答。


「見てわかったのか?」


 そう聞きながらレオノーラに魔石を渡した。


「ジークさんですし、Aしかないなって……」

「見なくてもAよ」


 試験にならんな。


「ジーク君はすごいねー。こんなのが簡単に作れるんだから」


 わかる女が魔石を見ながら感心する。


「たいしたことじゃない。本部長に声をかけて帰るぞ」


 俺達は片付けをし、アトリエを出ると、寝室に向かった。


「師匠、帰りますんで」


 寝室を覗くと、本部長はまだ本を読んでいたので声をかける。


「随分と早いな。まだ3時だぞ」

「キリが良いんですよ。魔石の方は終わりましたし、杖の方は明日で終わります」

「そうか、そうか。じゃあ、あとは試験問題の作成だけだな」

「そうなりますね。そっちも明後日には終わらせます」


 どちらにせよ、明々後日には帰らないといけないので終わらせないといけない。


「わかった。明日もここを使っていいからな」

「ええ。それでは失礼します」

「んー」


 俺達は寝室をあとにし、屋敷を出た。

 そして、ホテルに戻ると、夕食まで各自の部屋でゆっくり過ごす。

 しばらくヘレンとベッドの上で寝転んでいると、ノックの音が聞こえてきた。


「誰だー?」

『私、私』


 レオノーラだ。

 レオノーラの方から来たか。


「よいっしょっと……開いてるぞー」


 起き上がり、ベッドに腰かけた状態になると、声をかける。

 すると、扉が開き、レオノーラが部屋に入ってきた。


「やっほー。お休み中?」

「そんなところだ。どうした?」

「デートしようよー」


 デート、ね……


「どこか行きたいところでもあるのか?」

「本屋」


 あー、【職場での人間関係 ~上司編~】を買いに行くって言ってたな。


「行くか」

「行こー」


 俺達は一緒に部屋を出ると、階段を降りていき、ホテルを出た。


「本屋の場所はわかるのか?」

「この前、町を巡った時に見つけておいた。こっち、こっち」


 レオノーラがそう言って西の方に歩いていったのでついていく。

 そして、本屋に着くと、店を見上げる。


「ここか」


 5階建ての本屋である。

 リートの本屋は狭い平屋だっていうのにな。


「知ってる?」

「本屋には俺も来るからな。もっとも、ああいう本を買ったことはなかったが」


 買うのは専門書が多かった。

 ああいう俗っぽいのは視界にも入らなかったと思う。


「見てみよー」

「ああ」


 俺達は本屋に入ると、軽く本を見て回る。

 やはり色々な本が多いし、客も多い。

 そんな中で例のシリーズが並んでいるコーナーを見つけたので【職場での人間関係 ~上司編~】を手に取る。


「買ってやるよ。回し読みするんだから1冊で良いだろ」


 多分、これはエーリカもアデーレも読む。


「ありがとー。代わりにジーク君にも買ってあげるよ。どっちがいい?」


 レオノーラが2冊の本を手に取り、見せてくる。

 タイトルは【愛するより愛されたい ~奥様から見捨てられないようにしよう編~】、【愛するより愛されたい ~旦那様を逃すな編~】だ。


「その2択か? 少しも役に立たなそうだが?」

「読んでみないとわからないでしょ。大きな意味ではコミュニケーションの本だからさ」


 まあ、そうだけどさ。

 このシリーズの変なやつも結構持ってるし。


「どっちかを選んだらもうどっちかはどうするんだ?」

「自分で買う」


 結局、この本が支部の本棚に並ぶわけね……


「じゃあ、こっち」


 【愛するより愛されたい ~奥様から見捨てられないようにしよう編~】を手に取る。

 性別的にこっちだろう。


「じゃあ、買いに行こうか」

「そうするか」


 俺達はレジに行き、本を買うと、もう少しだけ本屋を回り、店を出た。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

本日より新作を投稿しております。(↓にリンク)

ぜひともそちらの方も読んで頂けると幸いです。


よろしくお願いします!

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