プロローグ
ノリで書き始めました。軽い気持ちで楽しんで頂ければ幸いです
、、、見なかったことにしよう。
咄嗟にそう思ってしまったのは仕方のないことである。
生まれてこの方19年間平和万歳!事なかれ主義で生きてきた小娘がハイキングコースでも無い鬱蒼とした森の中で倒れているボロボロの男を発見してすぐおいそれと近寄れるほど肝は据わっていない。
そもそも生きているかも分からないし
悪人の可能性だってある。
がしかし、人が倒れているのを無視できるほど
非情にもなりきれず、男の周りをうろうろしていると
男から「う、、、、、、」
という呻き声があがり私は文字通り飛び上がった。
とりあえず息はあるようだ、、、とほっとしながら私は恐る恐る声を掛けてみた。
「もし、そこのお方。大丈夫ですか?
起き上がれそうですか、?」
すると男は少し顔をあげると
「て、天使?いや女神様か?俺もやっと死ねたんだな、、、」
とうわごとのように呟いてまた倒れ込んでしまった。
一方私は男の発言よりも男が起き上がった際にチラッと見えた男の顔に衝撃を受けていた。
何故なら男の顔は赤黒い発疹のようなもので
びっしりと一面覆われていたのだ。
発疹のせいで目もあまり開いていない様だったので
きっと私のことを天使だ女神だなどと錯覚したのだろう。
やっと死ねたという言葉が引っかかるがとりあえず悪人では無さそうだと判断した私は人を呼ぶ為に森の中を駆け抜けていった。