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桃色の花弁  作者: 遥前 備
7/16

恋に落ちる(5)

「読む本決めた?」

千紘から聞かれ、私は何冊か候補の本を見せた。

「この3冊で迷ってる」

「全部恋愛小説じゃん」

千紘が少し驚いた顔をする。

「うん」

私は頷く。

「珍しい。いつもはミステリー系なのに」

千紘が意外そうに私を見た。

「告白された時の女の子の気持ちが知りたくて」

私が言うと、千紘は苦笑いする。

「いや、小説から答え出そうとするなよ」

「だって分からないんだもん」

私は本をテーブルに置き、椅子に座った。

「告白された時さ、進君から支えたいって言われたの」

「え、いいじゃん」

千紘が私の向かいに座る。

「そう? なんか違うんだよな」

「どういうこと?」

千紘が首を傾げる。

「支えたいって一方的じゃない? 私の気持ち無視して、私の事所有物にするみたい」

私が言うと、千紘は少し困った顔をする。

「じゃぁ俺がドリンク渡したり話を聞いたりするのも、彩からしたら一方的なことなの? 少なくとも俺も、彩のこと支えてるつもりなんだけど」

「そんなことない。ほら、千紘は友達だから。友達が友達を支えようと思うのは自然なことなんじゃないかな? 私も千紘のこと支えたいって思ってるよ」

千紘から言われ、私は慌てて否定した。

「多分進君も、俺らみたいな気持ちで言ったんじゃない? 彩は考えすぎだよ」

「確かに、そうかも」

千紘からのアドバイスは的確で、私は素直に聞くことができた。

「本、やっぱりミステリーにする」

「なら今日は俺が恋愛読もうかな」

「え、似合わないよ。いつもファンタジー系しか読まないじゃん」

「いいだろ別に。気分転換だよ」

私は、千紘といる時間が好きだ。他愛もない話をして、笑い合える時間が好きなんだ。

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