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桃色の花弁  作者: 遥前 備
6/16

恋に落ちる(4)

「はい、これ」

放課後の図書室。読書同好会を始める準備をしていた時、千紘が私に麦茶をくれた。

「ありがとう」

財布から百円を取り出すと、千紘は首を振った。

「いいよ。俺が好きで買ってきたんだし」

「でもいつも悪いよ。この前だってスポーツドリンク貰ったし」

「だって、こうでもしないと水分取らないじゃん」

「それは……」

そう言われると、返す言葉が無くなってしまう。私は周りの人よりも喉が渇く感覚が鈍いらしい。小さい頃から、よく家族や千紘に注意されていた。

「まだ4月だけど、油断してたらすぐ脱水症状なるよ」

千紘から言われ、麦茶の蓋を開ける。

「分かってるよ」

自動販売機から出たばかりの麦茶は、まだひんやりと冷たかった。

「図書室で飲むの、なんか悪いことしてる気分」

私が言うと、千紘は笑った。

「普段は飲食禁止だもんな」

「うん。読書同好会の特権」

私と千紘は、読書同好会に所属している。基本月、火、水曜日に開かれているが、幽霊部員がほとんどできちんと参加しているのは私達ぐらいだ。



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