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恋に落ちる
「好きです。俺と付き合って下さい」
高校二年生の春。放課後の教室。目の前に立っている進君は、私の目を見てはっきりとそう言った。2度目の告白。
「えっと、前にも聞いたけどなんで私?」
私は進君から目を逸らさずに聞いた。
「彩の可愛いところが好き。なんていうか、支えたくなるっていうか」
そこまで言うと、進君は私から目を逸らした。そして、言葉を探すかのように「えっと」や「その」を繰り返す。
彼は真面目な人なのだと思う。いつも彼の目は真剣だ。
だから、私も真剣に答えないといけないと思った。
「2回も告白してくれてありがとう。でも私、可愛くないし誰かに支えられたいとも思ってないの。ごめんなさい」