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はるか彼方の大和撫子

作者: 楢崎 藤子

原作のシンデレラは、かなりの努力家で(したた)かなヒロインらしい。

 遊びに来ていた姪っ子から朗読をねだられた時、軽い気持ちで話したら、習い事への抵抗が少なくなったと、都会へ戻った兄から連絡があった。


原作の白雪姫は、三回くらい殺されかけたらしい。

 これまた遊びに来ていた姪っ子の演劇練習を見せてもらった時、軽い気持ちで話したら、宅配業者にスタンガンを使ってしまったと、義姉に吐露された。


原作の赤ずきんは、食べられて終わるらしい。

 おつかいを放り出して遊んでしまった姪っ子に、何の気なしに話したら、言われたことも守れるようになったと、兄夫婦に礼を言われた。


 まさか趣味の読書と豆知識が、姪っ子の成長に一役買うことになろうとは【本の虫】冥利に尽きるというものだ。ご先祖の代から集められた書物たちも鼻高々だろう。

 当の姪っ子も、かなりの読書家になったようで久しぶりの兄一家来訪のため、書庫を片づけながら今や現役の高校生である姪っ子の成長速度に、驚きを禁じ得ない今日この頃だ。

 結局は他人の子だというのに、このフワフワとした心地いい感動は、何といえばいいだろう。























原作の人魚姫は、子ども向けとさして変わらないらしい。

 久しぶりに会った姪っ子から恋の悩み相談を受けたので、後悔の無い選択をしなさいという意味合いで伝えたのだが、―― 包丁を片手に追い回された。


「あたしにとって、おじ様は【王子様】なの!」

 屋敷内を散々追い回される中で聞かされた発言に頭が痛くなり、友人も巻き込んで開催された家族会議は、途中から意識が飛んでいた。

 ネバーランドの子ども達も、こんな心境だったのかもしれない。


一目惚れって、素敵ですね。

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