第4話 グループ名
皆を誘った2日後、入るかどうかを悩んでいた良太だったが、親に良太が好きなことをしていいと、言われたため、加入してくれることになった。
そして、その日の昼、俺達は、色々と相談するために、良太の親が営業している藤花に集まっていた。
水曜日であるこの日は、藤花の休業日のため、店の中は、客が1人もおらず、俺達が相談しやすい、環境になっていた。
「それじゃあ、色々と決めていくぞ……まずは、俺達のグループ名だけど…反乱って意味で、リベリオンなんてどうだ?」
考えたたグループ名を言うも、皆の反応は、微妙な感じだった。
「な〜んか、カッコよくないな…」
「なら、お前も考えろよ…」
迅に文句を言われ、少しムカッてきた俺は、迅にグループ名を考えさせた。
少し考えた迅は、いいグループ名を考えたのか、皆が十分に聞こえる声で
「ゴレ◯ジャーは、どうだ!」
と、完全にアウトなグループ名をドヤ顔で言い張った。
「いや、アウトだろ!」
すかさず、ツッコミを入れてくれる零。
「だな、もう既にあるやつだし……そもそも、俺達7人だからな…」
「7人なら、トッky「アウトーー!!」
迅が言い切る前に、零がツッコミを入れてきた。
「……なら、ゴッドスレイヤーは、どうだ?」
ケイトが、自身で考えただろうグループ名を言うと、俺含め、全員がケイトの方を向く。
「俺らの目的は、神殺しだろ?…スレイヤーには、殺すと言う意味もある…神を殺すって、言う意味で、ゴッドスレイヤーで良いと思うけどな…」
意味もしっかりあり、迅みたいな、アウトな物でもない…良いなと、俺は思った。
しばらく、無言が続いたが
「…俺は、良いと思うが、皆はどうだ?」
俺が、無言を打ち破るように、皆に聞くと
「俺も良いぞ」
「うん、それでいいと思う」
「俺は、正直なんでも良いからな」
「俺も、俊と同意見だ」
「かっこいいから、あり!」
次々と賛成の声が上がったので、俺が考えたリベリオンではなく、ケイトのゴッドスレイヤーに決まった。
「次は…」
俺が、別の相談事をしようとした時、街中に聞こえる大きさで、サイレン音が鳴り響く。
「待て、これって!」
「ちょっと、家族の様子見てくる!」
良太が店の奥に向かってから、残された俺は、外に出た。
外に出ると、街中から、大きな音共に砂埃が立ち上がっている場所があるのが見える。
先程のサイレントからして、神軍が攻めてきたのだろう。
「……どうする?」
零が神軍が、居るだろう場所を見ながら、俺に訪ねてきた。
「勿論、俺達…いや、ゴッドスレイヤーの全員で、倒すしかないだろ…!」
「だな…」
「えっ…まじで?!」
嫌がっている迅以外は、全員やる気満々のようだ。
「ほら、念の為に用意しといた武器だ…まだ未調整のプロトタイプだが、今は、これで十分だろ」
ケイトの指示を送ったのか、大きさと長さがそれぞれ違う箱がドローンで、俺達の所に運ばれてきた。
箱の中身は、全員違って、俺の場合、刀だった。
箱の中には、刀の他に、通信機のような物が入っている。
「その通信機を耳につけろ…俺が敵の位置とかを知らせる…」
そう言いつつ、通信機を先に、耳につけているケイトは、パソコンを弄っていた。
「皆、遅くなってごめん!」
家族の様子を見に行っていた良太が帰ってきて、良太にも武器が渡される。
それぞれが、武器を持ち、耳に通信機を装着し、神軍が居るだろう、方向を向く。
「…それじゃあ、行くか!」
「「「「「おう!!」」」」」
「死にたくないー!!」
一名、返事が違うが、俺達は走って、現場へ向かった。
◇◇◇◇◇
神軍が居るだろう、場所に近づくに連れて、音が大きくなっていく。
『敵の姿を確認した…相手は、魔物の竜だ…レヴォルトの連中は、まだ到着できてない様子だ…何かあったら、また連絡する…』
ブツッと、音と共にケイトからの通信が切れる。
ドローンを使って、様子を見てくれてるケイトの情報を元に、竜が居るだろう、場所に到着すると、ケイトの情報通り、竜が暴れていた。
竜が暴れたせいで、あらゆる建物が壊せれ、広い範囲が、瓦礫で埋め尽くされていた。
「それじゃあ、全員、持ち場に着いてくれ!」
「「「「了解!!」」」」
「了解…」
1人、弱々しい返事があったが、気にせずに全員、持ち場に着く。
ケイトが考えた作戦は、俺、良太、鉄狼の3人が、近接で戦う、零と迅が遠距離から攻撃で、二人を俊が守るといった感じで、戦うことになっていた。
「グオォォォ!!!」
俺らに気がついた竜は、雄叫びを上げ、尻尾を思いっきり振ってきた。
「起動だったか?」
鉄狼がそう言うと、鉄狼が付けているグローブが、音を立てながら起動し、勢いよく向かってきた竜の尻尾を、両手で受け止めた。
「はぁ?!」
俺は、驚きのあまり、目を見開いていたが、受け止めた鉄狼自身も、驚いた。
『パワーグローブ…使用者の力を上げることが可能で、手の保護にもなる…プロトタイプだが、鉄狼の素の怪力と、異能を合わせたら、相当なパワーが出るはずだ…上手いこと使ってくれ』
鉄狼のグローブについて、ケイトが説明してくれた。
「…面白ぇ!!」
説明を聞いた鉄狼は、踏ん張りって、竜を何回か、回転させた後、地面に叩きつけた。
衝撃で、瓦礫が中に浮き、竜に降り落ちてくる。
瓦礫に埋まりかけていた竜だったが、翼を大きく開くことで、瓦礫を吹き飛ばす。
「ガアァァァ!!!」
再び雄叫びを上げた竜は、俺らを睨みつけてきた。
俺は、通信機のボタンを押し、一斉通話に設定し
「…ゴットスレイヤー…全員で行くぞ!」
そう大きな声で、伝えると
「「「「「「おう!!」」」」」」
全員から返事が帰ってきて、先陣の俺達は、それぞれ、武器を構えた。