第3話 メンバー集め(後編)
次に向かった先は射撃場で、近づくに連れて、銃声が聞こえてきた。
ここは、レヴォルトの隊員達も使う有名な射撃場で、設備が他に比べて充実している。
射撃場の中に入ると、大人に混じって、スナイパーライフルで射撃の練習をしているの少年を見つける。
少年の射撃力はすごく、全ての弾を必ず、的の真ん中に当てている。
「あれが、鷹の眼か…」
「そう言えば、レヴォルトが鷹の眼を仲間に入れようとしてる噂があるな…」
俺同様、周りで少年を見ている人々から、話し声が聞こえてくる。
鷹の眼と呼ばれている少年の名前は、上原 迅…俺とは、小学校からの仲だが、良太とは、保育園からの仲らしい。
迅が射撃の練習を続けている間、俺は、自動販売機で、俺の分のカフェオレと迅の分のコーラを買い、休憩に入るのを待っていた。
「ん〜…一旦、一休み…ってなんで、琉希がここに居るんだよ!」
「よっ!」
あれから、三十分程経ち、休憩のためにスナイパーライフルを持って、ベンチに座ろうとしていた迅は、ここには、居ないと思っていた俺を見つけ、驚いた。
「ほら、俺の金で買ったコーラだ」
先程、買った迅の分であるコーラを投げ渡しす。
「おっ、丁度甘い物が、欲しいところだったんだよ…!」
コーラを受け取った迅は、キャップを開け、ゴクゴクと勢いよく飲み始めた。
迅は、甘い物がエネルギー源と言ってもいいほど、甘い物が大好物で、甘い飴やチョコなどの持ち運びやすく、食べやすい、甘い物を常に持っている。
「……プハァ!…人の金で飲む、コーラは格別に美味しいな!」
コーラを一気飲みをした迅が、そんなことを言ってきたため、軽くチョップを入れた。
「痛っ!何するんだよ!」
「殴り飛ばされるよりマシだと、思っとけ…」
「くっ…」
チョップを入れられた所を手で抑えながら、迅は軽く睨んできた。
そんな迅に俺は、他のメンバー同様、ぶっこんだ。
「一緒に神殺しをやらねぇか?」
「………………ハァーーーー?!!!」
途中まで、膠着状態だった迅は、理解したのか、大声で叫んだ。
無言の時に、叫んでくるなと思った俺は、両手で両耳を塞いでいたが、案の定迅は、叫んだ。
迅の叫び声のせいで、周りの人たちが、俺達へ視線を向けてくる。
「声がデカいぞ…」
「い、いや、いやいやいやいや!か、神殺しってあれだろ?、世界組織レヴォルトが、二十年以上の間必死で頑張っても中々達成できていない、神殺しのことだよね?!、世界で1番の技術力を誇っているレヴォルトでも、時間がかかっているのに、技術がない俺達じゃあ、ぜっっっったい!!無理だよ!、と言うか、死にたくない!!」
迅に言葉で押されつつ、説得と言うか、迅が云うことを聞く、魔法の言葉のようなある、言葉を言った。
「もし、神殺しが出来たら、モテるぞ……多分…」
「!」
先程まで、嫌そうな顔をしていた迅だったが、モテると言う単語に反応し、目を見開いてこっちを見てきた。
「……そ、それなら、やろうかな〜…」
先程までの勢いは、どこに言ったと、言いたくなるような、手のひら返しに、あえてツッコミを入れず、最後のひと押しをする。
「考えてみろ、神殺しを達成できたってことは、有名になるのは、確実だろ?…てことは、女性にモテやすくならないか?」
「天才か?!…やるやる〜!俺の力で、神なんて倒してやる!」
本当に、モテるって言う単語を使ったら、なんでも言うこと聞くようになるよな、と思いながら、ふと、時計を見ると、昼を過ぎていて、昼食がまだ済ませていない俺は、
「俺は、そろそろ帰るぜ…昼飯をまだ済ませてないからな…」
「あ〜…もう、昼過ぎか…それじゃあ、俺も昼飯を食べて、練習を再開するか…」
「じゃ、また連絡するわ」
「嗚呼!またな!」
俺は、迅と別れた後、コンビニで買った、おにぎりを食べながら、6人目の元へ向かった。
◇◇◇◇◇
住宅街から少しばかり、離れた場所に屋敷が建っており、大きな壁と、天使や魔物が空から入ってこれないように、最新のバリアで屋敷は、囲われていた。
インターホンを押した後、しばらく待っていると
『神剣 琉希様ですね、今、門を開けますので、しばしお待ちを…』
インターホンから、執事だろう人の声が聞こえ、ゆっくりと門が開いていく。
門を潜り、屋敷の入口の前に着くと、扉が開き、ベテランそうな執事が迎えにきてくれた。
「お坊ちゃまは、こちらです…」
執事は、6人目に誘おうとしている奴が居る、部屋に案内してくれた。
「お坊ちゃま…神剣 琉希様がお見えです…」
部屋の前でロックした後、俺が来ていることを、執事が伝えた。
「……あ〜…良いぞ、入って……」
少しばかり、眠そうな声で返事か帰ってきて、執事が扉を開けて、俺を入れてくれた。
部屋に入ると、真っ暗で、何台もの画面があるパソコンの光でなんとか、見れるレベルだ。
「で、何のようだ?」
自身の周りにパソコンの画面を置き、人を駄目にするクッションに座っている、お坊ちゃまと呼ばれていた外国人とのハーフであろう眼鏡をかけた少年、ケイト・ウェンギア…レヴォルトに技術提供をしているオーダーカンパニーの会長の子供、つまりお坊ちゃんってことだ。
部屋の床に座り込み要件を例のごとく、言うことにした。
「いや…レヴォルトが達成できていない、神殺しを俺達でやろうと思ってな…!」
「…」
無言で、目を見開いて見てくるケイト。
なんか反応してくれよ…気まずいだろ…
しばらく、考え込んでいたケイトだったが、決めてくれたのか、俺の顔を見て
「別にいいぜ、うちの両親は、兄貴に会社を継がせるつもりだから、俺は、好き勝手にしていいって卒業前に言われた所だったしな……神殺しに協力するは」
「サンキュー!今日は、誘いに来ただけだから、俺は、そろそろ帰るな…!」
俺が礼を言うと、ケイトは、再びパソコンを弄り始めた。
「じゃあな…!」
帰る合図を言うも、ケイトからの返事はなかった。
執事に見送ってもらった俺は、一度帰宅し、別日に皆を集めることにした。