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第2話 メンバー集め(前編)

卒業式が行われた翌日の早朝、俺の部屋では、スマホのアラームが鳴り響いていた。

アラームを止め、俺はリビングへ向かい、テレビを見始めた。

テレビで流れていたニュースでは、レヴォルトが新たな神器(アーティファクト)を手に入れたことなど、いつも通り、レヴォルトのニュースが中心だった。

テレビを流しつつ、とある連中に会う為に、俺は支度を初めた。

支度が終わった俺は、家を出て鍵をしっかりと締めた後、とある人物がいる家へと向かった。

アイツの家は、人気のカフェのため、仕込みをするために、早朝から起きていることが多いため、早めに行っても問題は、ないはずだ。

しらばく、歩き高校の近くにある、アイツのカフェに着いた。

カフェ内に入ると、開店したばかりなのか誰も居なかった。


「いらっしゃいませ…って琉希か…ちょっと待ってて」


「へい…」


エプロンをして家の手伝いをしている万藤 良太(バンドウ リョウタ)は、俺がいつも頼んでいるフレンチトーストと、カフェオレを作るために、キッチンへ向かっていった。

俺は、カウンターに座り、いつものが来るまで待った。

しばらくすると、フレンチトーストのいい匂いが漂ってきて、良太が二人分のフレンチトーストとカフェオレ、良太用だと思うコーヒーを持ってきてくれて、並べのち、俺の隣に座った。


「俺も朝食まだだから、一緒に食べていい?」


「良いぞ〜…少し、話し合いたかったし」


俺は、出されたフレンチトーストを食べ始め途中で、


「…一緒に神殺しをやらないか?」


「ブフッ…!ゲホゴホッ!!」


と、ぶっこんで誘ってみると、良太は、飲んでいたコーヒーを吹き出し、気管にでもコーヒーが入ったのか、咳き込んだ。


「ど、どういう意味…?」


「そのままの意味、レヴォルトがまだ達成できていない神殺しを俺達が行うんだよ」


「…もしかして、零達もやるのか?」


「零は、OKくれたが、他の連中はまだだな…」


「う〜ん…」


零がOKくれたと聞き、良太は深く、考え始めた。

その間に俺は、フレンチトーストを食べ終わり、ゆっくりとカフェオレを飲み始めた。


「…俺は、大学行かないけど…家の手伝いがあるしな〜…もう少し、待ってくれる?」


「分かった、それじゃあ…ご馳走さん」


「また来てくれよ」


代金を良太に渡し、次の奴を誘いに向かった。


◇◇◇◇◇


今日中に全員誘っときたいが、卒業式後の為、まだ寝ている奴らが多いと思った俺は、次に誘う3人目は良太同様、早朝から起きている奴の元に行くことにした。

山の中に俺は、歩きで入っていき登っていく、しばらくするとカーンカーンと、鉄を打つような音が聞こえてきて、さらに歩くと広場のような場所に行き着き、その広場の真ん中に、昔ながら家が1つ建ってあった。


「鉄狼、居るか〜?……って、やっぱここ熱いな…」


家の扉を開けた瞬間、熱風が流れ込んでくる。


「……」


広い土間にある釜戸の前で、俺が来ていることに一生懸命に鉄を打っているのは、剛木 鉄狼(ゴウキ テツロウ)、学業と両立して鍛冶師をやっていて、鉄狼が制作した刀などは、業物として名が高い。

だが、高校生が作っていると色々と面倒くさいことになるので、本名がわからないように、狂狼と名乗り、制作していた。

鉄狼は、少し狂気じみたところがあるが、とても力が強く上に、情が厚く、とても頼れる存在だ。

座敷に上がり、しばらく見ていたら、作業が終わったのか、鉄狼は自分自身で肩を揉みながら立ち上がり、俺の方を向いた。


「……いつから居るんだよ…」


「十数分前かな…?」


「…」


また、やらかしたと顔に浮かべながら片手で顔を覆い、落ち込んでいる鉄狼に俺は、


「…なぁ、神を殺さないか?」


良太の時と同様にぶっこんでみると


「あ?…良いぜ、楽しそうだしな…!」


と、意外な反応に少しばかり、驚いてしまった。


「返事早くないか?」


困惑気味の中、即答した理由を聞くと


「お前には、色々と世話になっているからな…せめての恩返しとして、参加するだけだ…」


土間から座敷に上がった鉄狼は、ちゃぶ台の上の籠に入っている塩分が取れる飴玉を舐め始めた。

飴を舐めながら鉄狼は、家の窓を開けて、換気を始めた。


「まっ、ありがとうな…!他の奴らを誘いに行かないといけないから、そろそろ俺は、行くぞ」


「おう…!またな!」


鉄狼に見送られて、俺は、次に奴を誘うために家を出た。


「…さて、依頼の大剣を作り終わったら、良太のカフェでも行くとするか」


鉄狼は、身体を伸ばした後、再び鉄を打ち始めた。


◇◇◇◇◇


下山した後、次に誘う奴に会うために、街中にあるスポーツジムへ向かった。

スポーツジムの中が分かる大きな窓を使い、街道から中を覗き、探しているとランニングマシンが並べて置かれている場所で、1つのランニングマシンを使って、すごい速さで走っている1人の少年が居た。

ランニングマシンで走っているのは、兎田 俊(トダ シュン)、小中高時代に陸上でそれぞれ優勝したことがある実力者で、推薦で大学に行くことになっている。

俺はスマホで、俊のスマホにメールを送り、出てくるまで出入り口で、待っていた。

数分後、大きな肩掛けカバンを持って俊が出てきた。


「で、何のようだ?」


トレーニングの邪魔をしてしまったせいなのか、俊の機嫌は悪かった。


「神殺しをやるんだよ…だから、お前の力を貸してほしいんだ…」


「…………は?」


予想通りの反応に少し、安心しながらも説明することにした。


「そのままの意味だからな…レヴォルトが未だに達成できていない、神殺しを俺達がやるんだよ…」


「…………無理だろ!!世界組織が必死でやっても、まだ達成できてない神殺しを俺達でやるとか!」


俊は、正気か?!と言わんばかりの顔で胸ぐらを掴んで、驚いていた。


「やるって言ったら、やるのが俺だろ?」


「…」


俺がそう言うと、俊は納得したのか、胸ぐらを掴んでいる手を離した。


「ハァ…どうせ、何を言ってもやめないだろうからな………分かった、できるだけ俺も協力するよ…大学に行かないといけないから、そんなにサポート出来ないと思うけどな…」


「よろしく頼む!」


肩を落としながらも俊は、仲間になってくれた。


「じゃあ、俺はトレーニングに戻るからな…」


「また、連絡するわ」


俊は、再びスポーツジムの中へ入っていき、俺は、見送った後、考え込んだ。

ここまでは、順調に仲間が集ってるけど…問題は、ここからなんだよな…1人は、ある事を吹き込んだら、直ぐに許可してくれると思うけど…あの天才が良いかどうか何だよな…

数分の間、考えていたが、このままだと今日中には、全員を誘えないと思い、5人目を誘いに向かった。

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