1/2
あの、その、暗闇の中
暑い。なんという暑さだ。8月15日の午前9時。1年でもダントツの暑さをほこる今日この頃。
僕は夏休みだというなに虚しく学校の補修に向かっていた。補修は8時45分からなので確実に遅刻だ。しかし勘違いしないでほしい。これは寝坊などの甘ったれた遅刻ではない。たまたま朝やっていた幼女向けアニメ「ブリバラ」に見入ってしまって遅刻したわけであって、寝坊などではない。そのため後悔もないので、僕は急ぐこともなく灼熱の如く光る太陽の下を嫌々ながら歩いて登校しているのだ。うん。なのだ。…
「あれ…、体が…動か…ない。意識も…曖昧だ…、何が起き…たんだ。」
遠い方からは救急車のサイレンの音が聞こえてくる。よく見えないが回りには大勢の人の気配が感じる。意識は徐々に遠のいていくのに体の痛みは徐々に増していく。
「ダメ…だ。全く…分から…ない。どんとん…離れて…い…」
そこで僕は完全に意識が途切れた。
何か闇か光なのかはよく分からない一筋の道に導かれるように。