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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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エレナは『メイド』として認知されているが、今後は私の友として領内での立場を確立させたい狙いもあっての着替えだった。

平民であることをアピールしつつ、しかし王都の商工会長の娘ということもしっかりと印象づけたエレナはさすがだ。


「エレナ殿は私の侍女としてというよりは、私の秘書のような立場として王都からお招きしたのです。私の大切な親友でもあるので、何かと特別待遇にしてしまうかもしれませんが、実力は確かなのでそれに見合う立場と待遇としていきたいと考えております。これからのエレナ殿の実績をみて、私があまりにもエレナ殿を優遇しすぎていると思われる方は遠慮なくご指摘ください。まずはまだゴールドガーデンに来たばかりでなれないことが多いでしょうから、皆でエレナ殿をサポートしてくださるとありがたいと思っています。ハーブ園はゴールドガーデンの特産と観光の発展に繋がると期待しています。エレナ殿、よろしくお願いします。」


私の言葉に、エレナも微笑み、皆を見回すと落ち着いた声で言う。


「お任せください。私の最大限持ち得る力で必ずハーブ園の運営を成功させます。栽培が安定してきたら王都の友にも声をかけ、広めていきます。」


そして皆からも歓迎され、エレナは今までのメイドとしてよりも、私のビジネスパートナーのような立場として皆に周知されることとなった。


エレナは以前私に説明したように今後のハーブ園を何をどのように栽培していくか、具体的な予定を説明し、今後どのような加工技術を必要とするかを説明した。

染料を作る店や染物屋の紹介を受けたり、エッセンシャルオイルを抽出するための道具作りについての相談をして、フラスコなどの道具を作るために各物品を製作する店を紹介され、皆もかなり乗り気である。

エッセンシャルオイルが安定して製造できるなら、化粧品などの美容のブランドの立ち上げもしてはどうかなど、アイデアも出され大盛り上がりである。


手広くやるにはハーブ園の規模をかなり大きくせねばならず、庭師ではなく農夫をたくさん雇わなければならないだろう。

その場合の雇用は、あまり農地に適さない土地の者を雇ってはどうか。

農業の知識と技術はあるのだから、それを活かせる仕事を提供できればお互いに利害は一致する。

ただ、先祖代々の故郷を離れられるかどうか。


そのような話しまで出てきて、エレナも今後どこまで手を広げていくのかなどは実際にやりながら相談するしかないと説明し、皆も同意していた。


まずは公務員採用試験を成功させ、ハーブ園は庭である程度ゴールドガーデンの気候などを見ながら拡大していく。

部署も1ヶ月程度で安定させて、次に取り組むのは今度は議会の選挙だ。

そうこうしているうちにテッドも復帰するだろう。

復帰が伸びても、テッドは議員にならなくとも、私に代わって領主となるのだから焦らずとも良い。

議会ができたら、様々な規則を作り、罰則規定も制定し、領内の秩序を守る政策をおこなう。

そして領民の生活も安定してきたら、教育についても何かしらの制度を導入したい。

せめて識字率を上げられれば、未来の選択肢も広がり、どんな職業であっても活かせる。それに、様々なことに対する情報も得られ、暮らしが豊かになると思うのだ。


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