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「本日はお集まり頂きありがとうございます。本日の会議をはじめていきます。議題は事前にお配りした資料をご覧ください。はじめに、試験の役割と、進捗状況の確認をいたします。まず、オリバー殿、試験の問題用紙の作成は捗っていますか?」
オリバー殿へ振り、進捗状況の報告を求める。
「はい、無事判を押すところまで終えました。あとは試験当日を待つのみです。はんこ屋からも依頼文を回収し、他言無用を徹底するよう伝えております。問題数などは前回の会議の通りです。追加してご報告することは特にございません。」
粛々と報告をし、質問などないか問うと、誰も異論や質問はなかった。
「では次に、私の担当する面接ですが、質問数は全部で10個検討致しました。その中から相手に応じて質問をしていきます。質問数や採点方法は前回の会議の通りです。私からも追加してご報告することは特にございません。ご質問などございますか?」
オリバー殿の親友とも言うべき方である、クエンティン殿が挙手する。
「面接の際はクレア様と受験者の一対一なのですか?書記官としてこの中から1名同席した方がスムーズですし、クレア様お一人だと質問に『こう答えた』『そんなことは言っていない』と後々でクレームをつける者がいるかもしれません。是非1名ないし2名が同席することをご検討頂きたいです。」
「ありがとうございます。只今のクエンティン殿のご意見はごもっともです。それでは決を採ります。どなたか書記を兼ねて同席の方がいた方が良いか、私1人が面接を行い、皆様は外回りをして頂いた方が良いか。どなたか同席するが良いと思われる方は挙手を。…19名中13名ですね。では私1人で面接とする方が良いと思われる方は挙手を。…19名中6名ですね。ではどなたかが同席頂くということで。それではどなたか書記を兼ねてということなのですがご同席頂ける方は立候補願います。」
そう言うと、2人挙手した。
クエンティン殿と、マリー殿だ。
「言い出しっぺの私が責任をもって同席致します。」
クエンティン殿がアピールする。負けじという勢いで、マリー殿もアピールをする。
「私は情報網が広いので、良くも悪くも受験者の評価を行う上での情報もあり、お役に立てますわ。家柄、家業など。」
特にお互い罵ったりするような攻防は無いが、自分のアピールをうまく述べていき、2人とも譲らない。
「それでは、元々同席者は1人ないし2人ということでしたし、お二人ともご同席頂き、質問への評価点は3人の平均点として記録していくということでいかがでしょうか?そうなると、10名は筆記の採点ですので、面接官3名ならば、外回りは6名となります。したがって、オリバー殿、私、クエンティン殿、マリー殿あと5名は筆記試験では会場の見回りをし、面接では面接官の3人以外は外回りを。残りの10名は試験開始までの受験票と本人確認、筆記試験後は採点をという振り分けでよろしいでしょうか?」
皆頷いて同意を示す。
「ではまず試験官の残り5名と、採点官の10名の振り分けを致します。はじめに、試験官を希望される方は挙手を。…あら、まさかの丁度5名ですね。では採点官を希望される方は挙手を。…問題なく10名です。書記係の方は今の振り分けを間違いなく記録してくださいませ。それでは次です。合否の発表は当日とするか、あるいは後日とするか。また、配属部署発表は後日となるでしょうから、合否共に後日とするのが手間はないかとは思います。発表の手段も、ここまで来ていただいて合格者の掲示をしつつ、部署毎に顔合わせまでするのか、通知を村毎に出し、顔合わせは更に後日とするか。他に考えられる手段やタイミングについてご意見をお願いします。」




