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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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1日が過ぎるのはなんと早いのだろう。

やることはたくさんあるが、それでもやりきれないほどに忙しく、あっという間に夜になった。


離れで1人で過ごしていたあの頃は、時間を持て余し、終わりのない生きがいもやりがいもない無駄な日々を過ごしてきた。

あの頃はあの頃で知恵を付け、創意工夫して何とか生きる強さを学んだ気がする。

でも全ては生きるため。

何か目的や目標があるわけでも、ましてや何のために生きているのかさえ理由もなく過ごしていた。

ただただ自分のため。自分が生きるため。


今の私は、もちろん自分のためというのは理由の1つとしてある。

が、それ以上に私を救ってくれた皆のためになることを行いたい、役に立ちたい、より豊かな生活を保障したいのだ。


貧富の差が益々開いていく経済ではなく、皆が豊かに生活できるように。

皆がその努力を出来るように。

もちろん努力を怠るものが楽に生きられるというわけではなく。

努力が報われる世の中にしたい。

働いても働いても貧しさから抜け出せない人がいて、一方で働かずとも贅沢に暮らせる人もいる。

スタートラインが違えば、中間地点もゴールも違う。

楽して暮らせる人は資産の運用に長けているとも言えるが、そもそも資産を保有しているというスタートラインのハンデがあるのだから。

マイナスからスタートする人はいくら頑張っても追いつかないのが現状だ。

せめて追い風を吹かせるくらいの補助的な役割は担えるはずだ。

別に資金を提供するわけでも、資産を分配するわけでもない。

あくまでもスタートラインのハンデによらず、自分の能力を甘んじることなく努力を重ねる者が報われるようにしたい。


才能もどの家に生まれたらこの家業を、という慣習にとらわれず、好きなことややりたいことに挑戦して、結果豊かな暮らしを手に入れられたら。個人も、社会も豊かになるはずだ。


だからゆくゆくは経済がある程度安定したら、領内に教育機関を置き、教養のみならず様々な職業についても体験したり、知ることができれば。

可能性を広げていけたら良い。


貧困を無くす。


簡単なようで難しい目標を達成するために、領内の仕組みを安定させる。

そして、公務員という仕事を作ることで、就労の機会を得られるようにし、適材適所を推し進めていきたい。


そんなことばかり考える1日であった。


私もどんな仕事が向いているのだろう?

何かを作ることも好きだし、考えるのも好きだ。

領主を退いたら、まず議員にはなれない。

私の立場的に、発言権がありすぎるだろう。

他の議員からの忖度は少なからずあるはず。

ではやはり地方に隠居して物作りをするか。

工芸技術を学ぶのも良いだろう。

あるいはどこか有力者の元へ嫁ぐか。

エレナは王都へ帰すとして。

エレナのハーブ園を引き継ぐのも良いか。


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