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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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そうこうしていると、オリバー殿から会議の連絡が入った。


明日昼過ぎに会議開始、午前中に会議前のそれぞれの確認を行う。

会議後最終調整を行い、各村の受験者を取りまとめる。

2週間後に試験の開催。

会場は白の会議室を3部屋。

面接は応接間で。


これが事前連絡事項だ。


会議では試験日の日程なども詰めていこう。

合否は当日か、後日かなどや、配属部署の発表もいつとするか。


私は私で面接の用意を進めていく。

受験者のリストにも目を通して、それぞれの出身や職業や年齢なども確認しておこう。

その上で質問をどう組み合わせるか考えよう。


エレナと庭師と私とで庭を手入れして、執務室へもどる。

エレナは別室で面接用の評価用紙作成をするため、紙と判を抱えて執務室を出て行った。

紙だけでも100枚強ありかなりの重さなのに、更に女性の胴ほどの判を2つも抱えて。

エレナの怪力に驚いた。

「よいしょ」などの掛け声もなく、軽々と涼しい顔で積み上げ、抱えて、ドアすら自分で開閉してのけた。

ほんの数十秒の出来事に、私は手伝うでもなく、口を開けて見ていた。

男性でもかなりきつい重量のはず。

現に執務室へ道具を運び入れる際も、紙は男性二人がかりで抱えていた。

判も1人1つずつで搬入した。

エレナはお嬢様育ちのはずだが、なぜそんなに怪力になったのだろう?


謎が深まる。


それはさておき、私はというと、面接の質問内容を改めて見直し、①〜⑩の番号と共に、質問内容を一覧にした。

どう組み合わせるかというところは中々答えが出ないが、受験者の情報を見ながら検討するか、フィーリングか。


他に会議の準備に必要なものを検討し、それらを終えてから本日の執務を再開させる。


時々ふとテッドのことを思い出すが、今色々と考えても仕方のないこと。

来週再度話し合うことにしているが、私には選択肢は2つしかない。

私とテッドが予定通り婚姻を結ぶか、婚約破棄ならば爵位を賜ってからテッドを養子としてディアス家に迎え、領主の座を譲る。

婚約破棄ならばその後の私の身の振り方は考えねばならないことだが、まだいつ爵位が贈られるのか詳細の連絡が無い以上、猶予はある。

そのため今あれこれと考える必要はないのだ。


オリバー殿にも申しました通り、まずは採用試験をつつがなく執り行い、領内の安定的な仕組みを作ることを考えねばならない。


そうわかっているものの、やはり何度となく考えてしまい、その度に考えを振り切る。

中々思考がうまく整理できない。


どうしても思考が止まってしまう時は、エレナのお茶を飲み、菓子を頂くことで気分転換するのだ。


エレナも、そんな私の様子を気にして、心を穏やかにする効果のあるものや、集中力を高めるハーブティーを用意してくれる。


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