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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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オリバー殿(オリバー殿から「『様は』やめてください」と言われたため、今は皆を『殿』と呼ぶこととしてる)が沈黙を破る。


「クレア様、具体的に決め事を作っていくのは大変時間と労力を使います。担当者も適正なものを選んでいかねばなりません。私は法の整備は賛成です。しかし、貴族が作る法では庶民は納得しないかもしれません。庶民の作る法も同様に。『法を作る』ために争いが起こるかもしれません。」


私もその懸念はあった。

しかし、強きものと弱きものを作らない世の中にするためには法の整備は必須だと思うのだ。


「私は今まで弱きものの立場でした。世の中は公平でも平等でもない。そんな世界を変えたいのです。誰もが笑顔で暮らせるように。誰もが幸せになれるように。そのためには法の整備は私の人生をかけた事業としていく所存です。まずは議会を作りましょう。まずは村長を集め、意見をまとめます。議会の構成と運営をどうしていくか。議会ができたらその中で更に意見をまとめ、法を作りましょう。各部門毎の決まりも作ってください。農業ならば営農についての決まりを。今後新たに開墾するにはですとか、農地の売買ですとか、そういったことも。工業ならば工芸毎とは言いませんが、流通についてや各業種の組合の運営ですとか。土木は道路の整備上必要なことを。建築や土地のことなども。税についてならば今後の地域毎・品目毎の税率の計算式やいつを納税期間とするか、誰が取りまとめるのかですとか。今まで何となくやっていたこと、まとめ役の命令で行なっていたことをきちんと決まりとしていきましょう。不具合があれば適宜見直して改定していく制度を作りましょう。」


皆納得してくれた。

とてもめんどくさいことなのだ。

慣例やマナー、その時の状況で決めていたことを文書化して決まりとして守っていく。そこに加えてどの立場からでも理解できるよう、納得できるようにしていくのだ。


村長会議でまずは議会の構成員をどうするのが良いか、会議の頻度や進行、そして誰がどこまで介入できる権限を持つのかなどを決めよう。

できれば各村から1人ずつ選出して、貴族も庶民も同数で構成できる議会にしたい。そうするとゴールドランドは12村であるからそこに貴族12名を加える形か。貴族の選出をどうするかが1番の課題かもしれない。


私が悩むのも程々でやめておこう。

あとはみんなで決めよう。

はっきり言うと私の今の政治の状況は私の結論7割、まとめ役たちの意見3割の状況なのだ。

これでは私の負担もさることながら、うまくいかなかった場合の責任や民からの怒りの矛先も私に集まる。

五分五分くらいにするか、いっそ私の采配は議会の取りまとめの最終決定だけとするくらいがちょうど良いと考えている。


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