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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「好きだと言えませんでした。何の力もなく、何の支えにもなれない。そんな自分が、ただの自己満足で想いを伝えることなんて出来ませんでした。それからの私は学問に励み、マナーなどの指導もサボらず受けました。薬草やハーブのことを考えるとハオマに近づけるような気がしまして、ハオマに教えてもらった薬草の知識を更に深めるべく、ハーブティーの専門店などにも通い、毎日のようにお茶会に参加したり、私がホストとして開催したりしていました。そして父から王城への奉公の話しを持ち込まれ、私も自立した生活を望んだので仕事をして行くことを決めました。そして今に至ります。私の初めての恋は終わりました。」


寂しげなエレナを見るのは初めてだ。

以前城に上がった理由を冗談めかして父が厳しいためと言っていたが、まさかそんな理由があったとは。

ハーブティーについても同様に、ただ好きだからなどという理由ではなかった。

そんな切ない初恋を経験していたなんて。


「ハオマたちは今どこにいるの?」


私は気になって聞いてしまう。


「それがわからないのです。特にどこの孤児院に行くという話は聞いておりませんでした。翌日には居なくなっていましたし。お休みのたびに王都の孤児院を見に行っていたのですが、アシャはどこにもおらず、見つけられませんでした。もしかすると王都を出ているのかもしれません。」


不完全燃焼な終わり方で何とも悔しい。

エレナはまだハオマを想っている。

どうにか見つけられないものか。


「話してくれてありがとう。エレナ、またいつかハオマと会えると良いわね。」


そう伝えると、また笑顔のエレナに戻った。


「はい。恋愛感情を抜きにしても、彼らがどうしているかは気になります。アシャもきっと大きくなっているでしょうから、見つけるのが難しいですね。アシャが孤児院に居られるのもあと2年くらいでしょうから、見つけるなら早くしないと見つかりませんよね。王都から出たこともあり、もしかするとという可能性も期待しております。ゴールドガーデンにいれば良いのですが、居なくても王都以外の情報も王都にいるより得られるような気がしますので。なのでクレア様のためだけに私がゴールドガーデンへ行くことを決めたわけではありませんので!気楽にお考えくださいね。私を連れてきた責任とか難しいことをお考えにならないでくださいませ。」


3年の年月は長いような短いような。

エレナにとってはあっという間だったのかもしれない。

仕事をしつつ、ハオマたちを探して。

アシャももう11歳ならばだいぶ印象も当時と異なるだろう。

どうやって見つけるのか。

私も出来る限りハオマの情報も探ろう。


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