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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「冗談よ。なんかとってもドラマチックで驚いたわ。クレアなんて恋した自覚を持った瞬間に恋愛が成就しているのよ?奇跡よ?私は何年かかってると思っているのよ?」


酔っ払いかと思うような絡み方をしだすが、飲んでいるのはゴールドガーデンが誇るハーブティー。


「エレナはハオマとどうなの?最近かなりいい感じよね?」


エレナは少しはにかみながら応えた。


「実はこの前思いを打ち明けたのよ。そしたらハオマもいつのまにか私に惹かれてたって言ってくれたの。やっと両思いよ。でも何も変わっていないわ。思いを打ち明ける前と今。想いが通じているのに何にも変わらないの。本当に恋人同士になれたのかなってよくわからないのよね。もう2週間くらい経つのに。」


エレナの抱える悩みに気付かずいたなんて、やっぱり私は親友失格かもしれない。

そんな悩みを抱えているのに私の相談に乗ってアドバイスしてくれたり、上手くいって喜んでくれたり。

エレナってやっぱりすごい。


「まずはおめでとう。エレナの恋が実って本当に嬉しいわ。ところで、恋人同士だと何か変わるものなの?よくわからないのだけれど、そもそも仕事でしか会っていないならそりゃあ変わらないと思うわ。彼はちゃんと公私は分けた方だから。何かを変えたいならプライベートな時間で会う時間を増やしてみたら?デートしたら良いじゃない。」


恋愛をよくわかっていないなりに答えてみたが、果たして正解なのかはわからない。


何にせよ、ハオマと上手くいっているなら良かった。

侍女としてエレナを連れて行くのはやっぱり無理ね。


「エレナがハオマと幸せになるのを見届けたいものだわ。」


独り言のように心の声が出てしまった。


「ありがとう、クレア。まずはデート!そうよね。まずはデートよ!手くらいは繋ぎたいわ。」


「応援してる。絶対に仕事関係のところには行かず、行っても視察だというような雰囲気は出さないでね。何なら『これはデートよ』ってはっきり宣言した方がハオマも意識できて良いんじゃないかしらね。」


私が言うのも何だが、ハオマはかなり鈍感だ。

私がそうだからというのもあるが、はっきりと伝えることは伝えなければ、きっと消極的な解釈でエレナとの関係を発展させることはしないと思うのだ。


「クレアに恋愛についてのアドバイスをしてもらう日が来るなんてね。人生って何があるかわからないわね。しかもクレアは未来の王妃様だものね。」


しみじみとエレナは言うが、私もそう思う。


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