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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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慌ただしい1週間が過ぎ、再び会議の開催時刻を迎える。

今日、採用試験の詳細の最終決定が行われる。

部署の名称も。

会議が終われば、次の集まりは会議としてではなく採用試験準備や採点での集まりだ。

役割分担などしっかりと決めておかねばならない。


そして野盗対策が功を奏したのか、その後の被害の話しを聞かない。これも確認してみよう。


「それでは本日の会議を始めます。まず始めに、早く済みそうなものから。野盗対策を前回会議で行い、ふれを出してそれぞれ自衛していくよう促したのが効果的だったのか、単に野盗も警戒しているのか、ここ1週間は被害の報告を受けておりません。皆様は何か怪しげな目撃情報でもなんでも良いのですが、何かご存知でしょうか?」


見回すものの静まり返っている。


「マリー殿は何かご存知でしょうか?」


プロの情報屋顔負けのマリー殿へ話しを振る。


「私も特には何も耳にしておりません。このまま沈静化して野盗も出なくなると良いのですが。」


マリー殿ですら話しを聞かないというならばそう言った被害も目撃情報も何も無いのだろう。


「そうですね。何事もなく安堵いたしました。しかし賊の正体も何もわかっていないため油断は出来ませんので、引き続き警戒を怠らぬよう皆注意していくよう各村に自衛対策の継続の指示を致しましょう。

次に、採用試験の役割分担を致します。今のところでの受験希望者数を報告してください。それにより採点の人数を増員するかなど決めていきましょう。オリバー殿、現時点での受験希望者数は何名でしょうか?」


「はい、現在8つの村全てから希望者が出ております。村によって希望者数にバラつきが有りますが、現時点での合計人数としては54名です。しかし、これから受験の申込みを希望している者もまだ居るようですので、おそらく90名程になるのでは無いかとの見込みです。70名程基準を満たした者の採用ができれば良いのですが。」


90名前後居れば合格者が半分だとしても50名近く確保できるか。

それ以下であれば運営はかなり厳しい可能性がある。


「ではここに20名居ますね。10名は試験官、10名は採点ということに致しましょう。試験管の内3名は私、オリバー殿、エドワード殿。他の7名で会場で不正がないか見回りをしましょう。当日はそのようにし、前日までは受験票の作成などをして頂きましょう。後の10名は採点係と、当日の受付を担当してください。ここで私が危惧しているのは、替え玉として受験者と当日試験に来るものが異なることがあってはならないと思いますので、入場も厳密に行う必要があります。従って、受験票作成に一工夫必要となります。どのようにしたら確実に不正なく受験をできると思われますか?」


似顔絵を描いたとて、似たような顔のものは探せばいくらでもいる。

もっと個人を特定できる工夫が必要だ。


「クレア様、受付に各村の村長を置いてはいかがでしょう。そうすれば顔も見知っており、間違い無いのでは?」


私もそれも考えたのだ。しかし、それでは村による人数のバラつきにより、受験数の多い村の村長の負担や、万が一にも村長もよく把握していない者の受験がある場合に対応できない。


「大きな村では全員の把握は難しいでしょう。最近は工業地域の拡大や、農業から転向した者の流出入があるため、村長と言えど村民の把握はかなり難しいはずです。」


そう答えるとまた次の提案が。


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