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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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そうと決まればオリバー殿とも相談し、私でしか出来ない仕事以外を割り振った。

大体のことが決裁・承認関係となり、諸々の草案などや議会での討議についてなども各局から挙げられることに。

その資料作成も各局から提出となったため、私がやることはかなり減った。

その分、領内の視察やハーブの加工品の販売の営業を兼ねた社交に力を入れていくこととなった。

元々これからは社交に力を入れようとし始めたところだったので、タイミング良く仕事を整理できて良かった。


今回の王都での社交でのお茶会では、残念ながら友人と呼べるほどの関係を築けた令嬢はいない。

ただ、殿下のお茶会以前のお茶会よりは私のトークスキルは上がっていたようで、エレナからもこの調子と良い評価を得られた。


とにかく、私は遊びを覚えることと友人を得ることを目標にしてみようと心に決めた。

ダンの授業に混じって、色々なことをはじめた。

まずは運動と称してかけっこをしてみた。子どもの体力は計り知れない。やる前は手を抜こうと思っていたのに、本気を出しても中々難しい。

記憶の訓練と称して神経衰弱をしてみた。これは私は自信があったが、子どもたちも中々侮れない実力があり、良い勝負となったため、本気の勝負になった。

思考と感情のコントロールと称してトランプでポーカーやババ抜きなどをやってみた。私は元々感情が顔に出にくいということもあり、1番自信があった。しかし、いかんせん勝負運が無いのかカードの引きが悪く、中々勝てずにいた。

唯一私が無双できたのは、クイズだけという残念な結果になってしまった。

10歳にもならないような子どもたちと私では、知識量が異なる。そりゃあ私が勝てるに決まっていた。

なぞなぞは苦手だったけれど。

子どもたちとのそんな話しも、殿下へのお礼状と共にお手紙をしたためた。

案外子どもたちと本気で勝負をして、楽しめている。

エレナに「子どもたちに勝たせようとしているのね」と勘違いされたが、実際のところ本気で勝負をしていることを伝えると「大人気ない」と呆れながら笑われた。

子どもたちは私が手加減できるほど弱くないのだ。

子どもだからと侮ってはいけないということを学んだ。

そういうわけで、私は全力で子どもたちと遊んだ。

エレナも一緒になる時は、特に本気を出した。


時間も忘れ、始終ドキドキしながら笑顔が絶えないという時間になっていることを自覚してからは、確かに私の1人で行なっていた遊びは遊びとは言えないかもしれないなと感じた。

暇つぶしと本気の遊びでは、全く伴う感情が異なる。


やはり殿下は正しかった。


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