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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「馬車の仕立てを見て、護衛などの付き人の数をある程度予想してから犯行に及んでいるということですよね。馬車の仕立てや豪華さでターゲットを絞っているということで良いのでしょうか?」


私の質問にマリー殿は少し考え込み、応える。


「そうですねぇ、幌馬車や荷馬車は狙われておりませんのできっとそうなのでしょうね。被害に遭った者の馬車はいずれも二頭立ての四輪馬車だったと思いますよ。あとは犯行は夜ということが共通点かと。賊の人数は詳細な情報がありませんが、3名以上のようです。」


すごく細かく情報を得ている。

最早そちらのスペシャリストだ。

そこまで情報を得ているのなら話も早い。


「それならある程度予防策を練ることができそうですね。皆様はどうするのが良いと思われますか?」


そう問うと、口々に意見を出した。


「まずは基本は夜間は不要不急の外出を控えること」

「やむなく外出する場合は護衛官を複数つけること」

「この被害状況などを出来るだけ詳細に周知させましょう」

「夜間の外出の際は装飾品などは持たずに質素な出で立ちでいるのもターゲットになりにくいのでは?」

「一応夜間の見回りを強化しましょう」

「護衛犬を付けるのは?賊の匂いを覚えたらその後追跡ぐできるかもしれません」


ある程度まとまった。

王都議会とは違い、かなり建設的な意見ばかりで安心した。


今回の議会の決定を採用試験の募集と共に野盗対策を各村へふれを出していくようにしよう。


「それではその対策を領民たちへ周知するようふれを出しましょう。採用試験についての詳細も併せてふれを出し、村長たちに集約を依頼していきます。本日の議題は全て検討致しましたが、皆様から何か検討したいことやお困りのことなど何かございますか?」


皆静かに首を振る。


「それでは本日の会議はこれにて終了と致します。次回は来週。各部署の名称案を持ち寄ってください。あとは試験の準備を割り振りましょう。試験用紙の作成や、採点の担当などですね。他に持ち寄る議題がお有りの方は出来れば前日までに私へご連絡頂きたいと思います。よろしくお願いします。」


こうして本日の会議は終了した。


私の周りを固める人々の有能さは私なんて必要ないのではないかと思うほどだ。

オリバー殿はもちろん優秀で、剣技も腕が立ち、何より人望がある。

テッドもオリバー様の血を継いでいるだけあり、思いやりにあふれ、人望がある。頭の回転も速い。

その他のメンバーも皆それぞれに優秀だ。

マリー殿の情報の速さと正確さ、その分析力も高い。

ヨーゼフ殿も領民を第1に決裁を考える。国政ならば大臣のような方だ。

挙げればきりがないくらい皆持ち味を活かして会議で活躍してくれている。


本職のある方もあるため、どれだけ議会へ参加してもらえるかわからないが、今のメンバーは出来るだけ残って欲しいものだ。

無理強いは出来ない。

しかし、出来れば皆立候補してくれると嬉しい。


さて、これから益々忙しくなる。

まずは採用試験の告知・募集開始、そして野盗対策としての自衛についてのふれを出す。


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