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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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エレナは私の答えににっこりと笑う。


「クレアも殿下をお慕いしているようね。まだ恋愛までいかなくとも、殿下の存在がかなり大きくなってきているのは間違いないわ。またお会いしてから気持ちに変化がないか時々振り返ってみると良いと思うわ。」


確かに殿下への心の距離感というのか、それは縮まったように思う。

会えなければ、お手紙のやり取りがなければ、きっと私は寂しく思う。

お会いできるからこそ、お手紙もやりとりできるからこそ、きっと私はそれを楽しみにして日々を楽しく頑張れている。

殿下との関わりがなくなれば、きっと義務感だけでただただ真面目に仕事をこなすだけの日々だろう。

そういう意味では、殿下は私の生活に、人生に花や彩りをもたらしてくださっているのは間違いない。

かと言ってそれが恋だとか愛だとかと言う気持ちかと言うと、そこまででは無いようだ。

エレナと同じように、大切な人としての分類であって、物語のような心躍るときめきや、会えない寂しさなどの胸の痛みは無い。


「エレナは私とハオマならどっちが好き?」


エレナは真面目な顔で答えてくれた。


「『好き』の種類が違うのに比べられるものでは無いわ。例えば、よくある『溺れる2人のどちらを助けるか』なら、ハオマは私よりも泳ぎがうまいくらいだからそれなら多少溺れていても先にクレアを助けるわ。それからハオマね。お祭りにどっちと行くかとかなら、ハオマと行きたいわ。そんな風に、シチュエーションによって私が選ぶ人は変わるの。恋愛的な意味でならハオマが1番大好き。でも、親友としてはクレアが1番大好きよ。そもそも私は欲張りでもあるのよね。だからその質問の答えは『選べない』わ。どっちも大事で、大好きなんだもの。」


『好き』の種類。

よく聞くのはLOVEかLIKEかということか。

他にもFavoriteやpreferもそうだと聞いたことがある。

単語的な『好き』以外にも、『好き』を意味する言葉はたくさんある。

色々な『好き』があるけど、誰かを1番にしなくても、それぞれの『好き』を大切にして良いのだと、エレナの答えを聞いて思った。

LOVEを見つけたら、その『好き』を最優先させなければならないのだと思っていたので、なんだか安心したような気がする。


エレナは友として好き。

殿下は良き理解者として好き。

ダンは家族として好き。

オリバー殿は仕事仲間として好き。

そんな感じでみんな違う好きがある。


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