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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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まとめるとこうだ。

ローズ様から命じられ、ハーブ園に打撃を与えることが今回の訪問の目的であった。

ローズ様からは上手くことが運べば報酬をいただくことになっていたため、経営難の今、目の前の利益を得ようと話しに乗ってしまった。

だが、口約束でしか無いため、ローズ様が関わっているという証拠はない。

ローズガーデンへ戻っても報酬を得られるかはわからない。


「何分証拠がございませんので、クレア様からすれば私が罪から逃れたいがための嘘であるとお考えになっても不思議ではありません。ですが、それが真実なのです。」


私の予想通りな内容であったため、次の行動を提案するのは簡単であった。


私の提案はこうだ。

賠償額は今支払い可能な現金や貴重品、商品をゴールドガーデンへ納めること。

ハーブ園の復旧のための労働は免除しない。

労働が終わればローズガーデンへ戻り、ローズ様へ上手くいったと報告を行ない、報酬を得られるよう交渉する。

得られれば賠償金の不足分としてそれを納める。

持ち逃げしないようにローズ様との交渉の席にはゴールドガーデンの者を同席させる。

報酬が得られないようであれば、ローズ様の指示で行なった犯行であることをローズ様から言質を得る。

また、減刑されたことを決して他へ漏らさない。

以上のことを受け入れるのであれば、それ以上の賠償は免除する。

しかし、受け入れない・反故にした場合は速やかに資産を差し押さえる。


この男にとって、私からの提案という名の命令は拒否できないはずだ。


「承知致しました。温情に感謝致します。」


すぐさまオリバー殿とも相談し、誰をローズガーデンへ向かわせるかなどを話し合った。

人事についてはマリー殿の意見も参考にした方が良いのでは無いかということで、マリー殿も含めた話し合いを翌日に行うことにした。

相談の結果、セブルスという30代の元文官の従者を向かわせることとなった。

私の側近では顔が割れている可能性が高く、こちらの介入がすぐにバレてしまうリスクがあるからだ。

セブルスはゴールドガーデン出身だが、最近まで他領で生活していたため、ゴールドガーデンの者ですら面識のある者は少ない。

他領で文官をしていたが、貴族の横暴さに嫌気が差して辞めてしまった。その後は商人の従者として側仕えをしていたのだ。

そのためセブルスの言動は商人の側仕えとして自然であり、文官時代の経験からも的確に証拠を押さえるだろうとマリー殿やオリバー殿からのお墨付きを得た。

ちなみにセブルスがゴールドガーデンへ戻ってきた理由は、ハーブ園ができ、今後の取引の幅が広がったことで独立して自身の店を持とうと思ったそうだ。


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