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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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と、いうわけで私のマナー講習の日々が始まった。


ダンに


「クレア様も僕とおんなじで授業があるんですね!クレア様に負けないようにお勉強頑張ります!」


なんて張り切って言われた時はかわいくて笑ってしまった。

少し憂鬱というか、面倒だと感じていたのだが、私も頑張ろうと改めて思えた。

私は自分で思っている以上に単純なのだ。


そして、エレナを巻き込んで2人でマナーを学ぶことにした。

これからハーブ園の宣伝など社交会にエレナも関わる機会が増えるからという名目で巻き込んだのだが、エレナには単に私が1人でやりたくないということがバレバレな様子で。

エレナにそれを告げた時のじとーっと私を見る目が思い出される。


「まぁ私もマナーを最後に学んでから数年経ちますので、改めて復習を兼ねて学ばせていただきます。クレア様のおっしゃるように今後は侍女としてではなくホストの1人としてパーティーを開く機会もございますでしょうから。…ところでそれならハオマにも同じく学ばせるのですか?」


ジト目をしつつも完全なるお仕事モードで受け答えをするエレナに、少したじろいだのは内緒だ。


「ええ、ハオマにも講師を付けるよう手配しているわ。ただ、男性のマナーとなると私たちとは別の講義になるから別々よ?まぁダンスの練習くらいかしら。エレナとハオマが同じ講義を受けるのは。」


ちょっとした悪戯心でそう言ってみたら、エレナは赤くなってあたふたしていたので私は満足した。

想い人と密着してダンスなんてと考えるだけでもあんなに赤くなるものなのだなぁなんて他人事だからか微笑ましく思う。

私は今のところ殿下とダンスする機会を頂いても赤面したりはしていないと思う。

そう考えると私はやはり恋はしていないのだろう。

でも殿下だって赤面してはいないのではないか?なんてふと思った。


「クレア様、からかうのはおやめくださいませ。ところで何かお考えの様子ですがいかがなさいましたか?」


エレナは鋭い。


「ふふふ。ごめんなさいね。大したことではないのよ。エレナはハオマとダンスをすることを想像するだけで真っ赤になって。本当に好きなのねと微笑ましくて。私は考えただけで赤面するような経験はないもの。でもね、ふと殿下も私と居て赤面されることってないような気がして。そうするとやっぱり殿下も私へのお気持ちは恋というほどではないのではないのかしらなんて。」


エレナはじっと私を見つめて何かを考えているようだった。


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