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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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タリオン殿は40代の男性で、眼鏡をかけたいかにも頭のキレそうな風貌の方。

オリバー殿と共に昔から領内の治安についての仕事を担って来た。

ただし、文官とでも言うのだろうか。

現場ではなく事務的な方面でのご活躍であったそうだ。


「お出迎えありがとうございます。お忙しい中タリオン殿をはじめ、今日の会合の準備に皆様ご尽力頂き有り難い限りです。それでは早速中へお邪魔してもよろしいでしょうか?」


タリオン殿の後ろには3人の局員が控えている。


私はオリバー殿と警護の者2名を伴っての訪問。

警護の者は入口で待機させ、私とオリバー殿は中へ入る。


「タリオン、公務が立て込んでいることもあり今日は長くは滞在できない。すまないが詳細はまた別日になるだろう。今日は大筋の確認と、罰則規定の検討ということで進めたい。」


オリバー殿がタリオン殿へ打診する。


「勿論だ。クレア様がご多忙な中でお越しくださったのだ。それにこういった規範づくりは一朝一夕にはできまい。十分な協議が必要だ。今日で全てを決められるとは思っていない。ということでクレア様、規範の項目の確認と、罰則規定を本日はご検討頂く流れでよろしいでしょうか?」


用意された資料はオリバー殿が提案せずとも元々そういう内容で作成されていた。

ただ、別紙としては各項目の詳細も記載されているようであった。


「ありがとうございます。そのつもりで資料をご用意頂けていることに驚いています。また後日のために別紙についても戻ってから目を通しておきます。」


内容は

1、規範についての前提。領内ではいかなる身分も出自も関係なく規範を元に善悪を判断するなど。また、トラブルの際は第三者として領の定める立会人の下でこの規範を元に沙汰を領主へ上申するなどの運用についても。

また、領主の権限や議会の役割についても規定。

2、考え得るトラブルの内容を基にどのように対処するかの規定。窃盗、器物損壊、暴行、暴言や脅迫、その他迷惑行為など。

3、2を基に罰則の規定方法。当事者同士が立会人の下で互いに納得できるなら当事者同士で対応を取り決めること。決裂するなら事象の重さに応じて立会人が聴取した内容・当事者同士の解決策の申し出・立会人の適当と判断する罰則を法務局を通して領主へ上申する。当事者が罰則に従わない場合や不服であると訴えた場合は事象に応じて議会を招集して最終的な判断を求める。罰則は①罰金刑②慰謝料等被害者への損失の補填③禁錮刑④懲役刑⑤鞭打ちなどの体罰とする。死刑やその他加害者の身体を害する罰は議会の全会一致のみで適応されると共に、実行は被害者またはその代理人が行うものとする。


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