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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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ヨーゼフ殿へ質問をしてみよう。

具体的な数字が出てきたところで予算も立てていかねば。税金も減免制度を用いているため、あまり領民への負担はかけたくない。


「ヨーゼフ殿、現在の要求通りの人員配置にかかる人件費はどのくらいになりそうですか?領内の平均年収から試算してみてください。来年の税収の見込みからその予算を出すと、領内の運営は無理なくできそうでしょうか?」


もしもそもそもが無理ならばまた専門部門については検討していかねばなるまい。

議員のみで運営していくのには無理がありすぎる。


「クレア様、しばしお時間をいただけますか?」


ヨーゼフ殿は資料をめくりながら計算をすすめていく。


「ではその間に、合格者の基準の話に戻して、皆様のお考えを教えてください。」


次々と手が上がり、意見はみなヨーゼフ殿と同じであった。


「やはり予算面もさることながら、円滑な運営をするためには担当者の適性は重要ですね。成績順として採用しますが、合格基準に達していない者は不合格としていきます。合格基準も最高得点の7割の得点とします。オリバー殿、試験は100点満点での採点としますか?それとも50点満点くらいとしますか?」


今度は筆記試験担当のオリバー殿へ確認だ。


「そうですね、受験者数がまだ正確に予測できないこともあり、採点ミスが起こってもいけませんので、正確にかつスムーズに採点するためにも50点満点での採点としていきたいと思います。また試験問題が出来ましたらご報告致します。」


何点満点でも問題ない。

受験者数が多い場合はミスが起こりやすいため、判断のために必要な最低限の能力の判定ができれば良いのだ。


「クレア様、人件費の試算が出来ました。公務員数90人と仮定し、1人当たりの年収が150アスターと仮定すると13,500アスターです。これは税でいうと約5ヶ月分の税収にあたります。したがって、残り7ヶ月分の予算がございますので、各事業推進の資金として運用できます。貴族からの寄付ももっと積極的に集められれば更に良いですけども。」


5ヶ月か。実は私が領主となってもうすぐ5ヶ月となるのだ。

あと7ヶ月。間に合うのか。

無理に話を急かしては結果に繋がらないのは理解している。

最悪、私の意思を引き継いでこの中の誰かが事業を続けてくれるかもしれない。


「私が王都議会でも発言した提案なのですが、額の大きい順に議会への参加の発言権を与えるとか、新たに作られた道路や施設などの命名権を与えるとか、額に応じて使える範囲を定めた年間通行手形を進呈するとかというのはいかがでしょう。議会の発言権はあくまでも発言の権利とし、投票権・決定権は与えません。他考えられるものは工業・民芸品などの品別の優先的な仕入れルートの保証を与えるとか。その場合はその制作サイドも制作・加工のパトロンとして更に資金を集めやすくなるでしょうし。」




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