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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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ダンに今後の学習について意見を聞くことにした。

ダンのために始めたということもあるが、子どもの目線でもどのように学びたいのか、どうすればより深く学べるのかを相談してみようと思う。


「ダン、みんなとは仲良く学べていて安心しているの。でもね、あなたの学びをより深いものにするにはどうしたら良いか、あなただけでなく、みんなもお互いに切磋琢磨できる関係や環境をどうしたらつくれるのかを一緒に考えて欲しいの。」


ダンはう〜んと小さく唸りながら考えた。

…かわいい。


「クレア様、僕は初めは先生に一対一で教わっていました。僕がわかるまで教えてもらえるし、どこがわからないかも都度確認してもらえたので教えてもらうことがよく分かりました。でも、お友達も一緒にお勉強することで、同じ時間の中で僕が他の子よりもわかることも、わからないこともあるんだなぁって。自分の得意な部分と、苦手な部分が1人の時よりわかるようになったと思います。お友達同士で教え合ったりして自分も先生になれるし、生徒にもなれる。だからみんなでお勉強ができて嬉しいです。先生ごっこじゃないんですけど、みんなで復習する時に教え合いっこしてるんです。先生にも僕たちが教え合っているのを見てもらって、本当に僕たちが正しく理解できているかを確認してもらえると良いなって思ってます。教える方ももっと勉強になるし、教わる方も先生とはちょっと違った見方があるんだってわかってわからないこともわかるようになるし、教え合いっこはこれからもやりたいです。」


教え合いっこ。先生ごっこ。

確かに子ども目線で例えたり説明を聞くことでわからなかったことへの理解が進むというのはあるだろう。

教える側も教えるために復習し、みんながわかるように説明することでよりその子の学びも深まるだろう。


「ダンたちは偉いわね。先生がいない時でもそうやってみんなでお勉強しているのね。ダンの言う通り、教える側の理解が正しいのかも含めて先生に見てもらえると良いわね。エミリー先生にも相談してみるわね。」


子どもたちが既に自分たちで考えて学び合っているというのは、正直驚いた。

私が色々と手を出さなくても、子どもたちと先生とで良い学舎がつくれるかもしれない。

ある程度そういう融通を利かせながらカリキュラムを組むように先生にもお願いしておこう。

自由に学べるように私が考えるのではなく、環境と予算を確保することが私の役割だろう。


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