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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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翌日は殿下は午前中のんびりとハーブ園の視察(と言ってもまだ始めたばかりなのでハーブもまばらだが)をされ、エレナとハオマからも今後の事業拡大についての展望を簡単に説明し、そのまま王都へお戻りになられた。


やはり現地で実際を見ながらの方が事業説明はわかりやすい。簡単に事業説明はしていたのだが、国王陛下へのご報告のためにはせっかくなので現地視察はいかがかとご提案させていただいたのだ。

元々国王陛下への献上品として納めたハーブティー。

今回のお茶会はそのお披露目を兼ねるのと、ハーブ園を開いてハーブ製品を特産品として売り出していくことが目的なのだ。その主賓とも言える殿下は、ゴールドガーデンの視察というのは行なっておくべきことだと思ったのだ。

でないとただただ私に会いにきたように周りからも見られてしまう(いや、既にそういう認識なのかもしれないが)。

一応体裁というものは大切だと思うのだ。


お帰りの際、殿下は陛下からのご伝言ということで私に耳打ちなさった。


「父上がな、『クレア嬢と次に会えるのを楽しみにしておるぞ。いつ来るかのぅ?』と申しておった。私も心待ちにしておるからな。いつでも来ると良い。」


随分とフランクな…。


「陛下も殿下もお忙しいでしょうから、折を見てまたご連絡させて頂きます。殿下ももしこちらにお立ち寄りの際は是非ご一報頂けたらお出迎えさせて頂きますので。」


「つれないな。まぁ良い。くれぐれもからだに気をつけるように。無理をするでないぞ?そなたに何かあればそれこそすぐに駆けつけるからな?」


いや、ご連絡は頂きたい。

私はともかく、周りが慌ててしまうではないか。

エレナにも余計なご報告を入れないように釘を刺さねば。


こうしてハーブ園のお披露目は無事に終わった。


次は規範作りといきたいが、ダンのこともあるし、まずは学校について整えるか。

大枠では整いつつあるが、来年からの新たな枠を設けるなどの条件を整えなければ、あっという間に月日が流れていく。

王都の学校に倣えば、新年度には新入生が入学し、在校生は進級するのだ。

ダンも自分が先輩としての立場を自覚して行動することで、横も縦も人間関係を学べるだろう。

このままダンたちだけを育てていくというのもひとつの方法だが、やはり成長を自覚するためにも、人間性を磨くにも、様々な人との関わりは大切だ。

ゆくゆくはダンも領地経営を担うかもしれないのだから。

私みたいなニンゲンモドキみたいな色んなものが欠如した人間にはなって欲しくない。


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