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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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永遠に続く孤独には戻りたく無い。

喧騒すら心地良いくらいに、誰かが居ることへの安心感がある生活。

時々静寂によりあの孤独がフラッシュバックするが、誰かと共に過ごす沈黙や静寂の空間はむしろ心地良いと感じる。

人の気配、それだけで安心できる。


他愛もない話しをいくらかして、お茶も飲み終わり、それぞれの寝室へ戻ることとなった。


やはり誰かと過ごした後の1人きりの空間は、なんだか寂しい。

気を遣わずに済むし、だらしない格好になっても問題ないし、楽は楽だ。

でもやっぱりしんと静かなこの空間の静けさとは裏腹に、心をざわつかせるのだ。あの孤独のフラッシュバックで。


楽しいことばかり続くと、嬉しくもあるがこの幸せの終わりも想像してしまう。

人生は悪いことばかりではない。同時に、良いことばかりでもない。身をもって幸せも不幸も実感しているからこそ、幸せな時は永遠ではないということを常に心の片隅で意識してしまう。

誰かに求められることも、自分の為すべきことがあることも、生きる意味として実感できる今、誰からも必要とされなくなることや、私にできることが何も無くなってしまったらと不安に駆られるのだ。


不安を埋めるためにも忙しく過ごしていたい。


殿下との関係も、いっそこのまま縁談を進めてしまおうかとすら思う。そうすれば私の今後の役割も、愛も手に入るのだから。

でもそんな打算のために殿下を利用することはやはりできない。

どこにいても、どんな立場でも、敵も味方もいるだろう。

私自身が強くあらねば、自分も、周りの人のことだって守れやしない。

心を育てて、十分成熟してこそ本当の幸せをつかみ取れるのだろう。


私に今できることを精一杯やり尽くす。

仕事も、恋愛も。

恋愛についてはまだまだ理解が及ばないが、手の空いた時に恋愛小説でも読み漁って勉強しよう。

無理矢理恋をしようと思うのではなく、何が恋なのか、恋とは?ということをまずは理解を深めていこうと思うのであった。

それに物語ならば、ヒロインに感情移入してときめきを感じたりすることができるかもしれない。

そうすれば恋を知る第一歩だ!

この意気込みは恥ずかしくて誰にも言えないけど、作戦としてはとても有効であると考えている。

知らないことを知るというのは中々難しことだ。

頭でっかちな私が、まだ知り得ぬ感情を知るためには、エレナの恋バナや物語で想像していくしか出来ない!

何とも真面目におかしな悩みだろうとも思うこの頃。


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