表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
297/398

297


私は思った通りに言動していると思っているのだが、そもそもの心の機微というか、細かな感情を理解していない部分があるのだ。

だからこそ殿下には立場という壁に加えて、私自身が自分の感情もよく理解できずにいることで心の距離ができているような印象を与えてしまったのだろう。

心のままに態度に出しているつもりだったが、客観的に見ればあまり感情を表出できていないのだ。

私だって感情の表出をできるように努力しているものの、中々うまくいかないのが実情。

それをエレナや殿下は迷惑がるでもなく、心配して気遣ってくださるのだ。


「殿下、殿下はお休みの日はどのようにお過ごしになられるのですか?私は庭を散歩したり、本を読んだり、やり残した仕事をしてみたりしております。」


話しを私から振ってみると、殿下は笑顔で応えてくださる。

今は話しをプライベートなものにしぼろうと思う。


「そうだな、私は馬で遠乗りをすることもあるし、森に狩りに出ることもある。川で釣りをすることもあるし、部屋で本も読む。絵を描いたりもたまにはする。狩りはあまり好きではないがな。1番はな、研究室に行って桜の研究をすることが多いと思う。絵はな、理想の桜の風景を思い浮かべるのだ。あとはな、そなたへ手紙を出したりしている。」


とても素敵な桜だった。

殿下の桜の研究はまだ途中なようで、今もお休みの時は研究なさっているとは。


「多趣味でいらっしゃるのですね。王城の中庭の桜は本当に見事でした。今も鮮明に思い出されます。今度王城へお招きいただけるときには是非、殿下の理想の桜の風景の絵を拝見したいのですが、お許しいただけますか?」


きっと桜だけではない。

桜の周りには笑顔の人々がいて、平和なこの国の未来が描かれているのだろう。


「あぁ、良い。絵はあまり得意でもないのだが、そなたにも私のことをよく知ってもらいたいからな。」


「ありがとうございます。とても楽しみです。」


この後は遠乗りについてなどのお話しを聞かせていただき、殿下のプライベートな一面を知ることができた。

愛馬の世話も、出来るだけ人任せではなくご自身でおこなっているのだとか。

馬との信頼関係はとても大切だから、よく触れ合って信頼関係を築いているのだと。

人間だけでなく、植物にも、動物にも心を配れる殿下を素敵だと思う。

これは尊敬の念だと思うけれど、いずれ恋や愛に変わるのだろうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ