293
「エレナ、最高だわ。これなら皆様のご興味を引くでしょうし、何より味が良いわ。見た目も味も良いだけでなくインパクトがあるってことでお茶会をなさるお嬢様方には話題になるはずね。何ならお茶会の時に商談が成立するかもしれないわね。販売ルートをしっかり作っていければ今後の本格的な運用も軌道に乗せやすいでしょうし、エレナ、完璧よ。ありがとう。」
エレナ渾身の組み合わせに私も興奮気味に感想を伝えた。
「ありがとうございます。公私混同となるかもしれませんが、まずは販売ルートのメインは父のトーマス商会に卸してみようかと思っています。そこから卸先を増やしたり、種別に卸したりと検討しようかと思っています。もし期待が外れても父のところなら私としては損失も痛くありませんし、当たれば万々歳ですから。よろしいでしょうか?」
「ハーブ園の管理者はエレナよ。エレナのやりやすいやり方に越したことはないわ。期待が外れた時は確かに損失を出させてしまったら今後の取引先が無くなってしまう可能性があるから、安定して取り扱ってくださるルートが有ればこちらとしては安心ね。そこまで考えてくれていたのね。ありがとう。」
エレナがそこまで考えてくれていたことに驚く。
今はまだハーブティーとお茶菓子しか製造していないが、ゆくゆくは化粧品類や工芸品にも手を広げていきたい。
その販売ルートを作るためにも今日のお茶会でコネクションを作っておくのだ。
実際そのルートの管理はエレナとハオマにある程度任せるつもりであり、彼らがどこかへ委託するならそれはそれで良いと思っていた。
だから大元としてメインルートをトーマス商会をというのならそれで良いと思う。それに、アルフレッド殿の人柄としても信頼できる方だと思っている。
エレナとアルフレッド殿の親子に任せることに不安はない。
アルフレッド殿も今日のお茶会にはご参加頂ける予定だ。
宣伝としてまずはトーマス商会へ注文は一本化していくことや、初めは生産数を絞って市場に売り出していくことをアナウンスしていく。
また、おかわり用にも別のハーブティーも用意しており、茶菓子も数品追加でお出しできるように準備していること、お帰りなさいの心ばかりのお土産として、ハーブティーと茶菓子(御令嬢方の気軽なお茶会を想定して3人分)をお待たせするなどをエレナと確認した。
エレナとの打ち合わせ後、オリバー殿へも最終報告を行い、つつがなく準備が整ったことを確認した。




