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「城も防犯面を考慮し、通行証を各家庭に1つお渡しします。お子さんは城へ来る際はそれを持ってきてください。保護者の方が何かのご用がある際は城門で衛兵から取り次ぐ形をとります。休日についてはまだ決めていませんので、詳細が決まるまではお子さんは毎日いらしてください。体調不良などで来られない時にはお手間ではあるのですが、保護者の方が城門で衛兵にお伝えにいらしてください。朝の開始に連絡なくお子さんがいらっしゃらない時には事故などの可能性を考えて城の者がご自宅まで伺います。また、城の中の構造や働く者ことはくれぐれも他言無用です。学習内容などは周りの方へお話し頂いても結構ですが、城の警備や働く者の個人に関わることなどはお話ししないでくださいね。あとは服装は出来るだけ汚れても良いような軽装でお越しください。外で遊ぶこともあるでしょうし、城へ来ると言っても服装を整える必要はありません。普段着でお越しください。持ち物は特に指定しませんが、靴は履かせてください。出来れば帽子やバンダナなどの頭をカバーするものもお持ちください。筆記用具はこちらで用意しますが、自宅へ勉強道具を持ち帰って復習したい場合はそれぞれでご用意ください。こちらで用意したものは忘れ物や紛失などの予防も兼ねて持ち出し禁止です。何かご質問などはございますか?」
フレッドの父上が挙手した。
「こちらの負担の無いようにお気遣いいただきありがとうございます。今後の学習についてはまだ詳細が決まってはいないようではあるのですが、期間としてはいつ頃まで子どもたちをみていただけるのでしょうか?王都の学校というのは何年生だかまであるそうですが、何年かかけてしっかりと学ぶことができると考えて良いのですか?それとも基礎のみで修了なのでしょうか?」
とても良い質問だ。
「そうですね、まだ学習の課程などは決めていません。しかし、王都の学校と同等の教養をと考えていますので学校と同じような内容で3年間を基本として考えています。その後更に専門的に学びたいなら私が推薦状を書きましょう。その際の学費などについてはまだこちらで負担できるかはわかりません。私個人としては将来ゴールドガーデンのために働いてくれるという約束のもとで奨学金という名目で学費を負担しても良いと思ってはいます。」
フレッドの父上は納得されたのかフレッドを撫でる。
「クレア様、3年の学習の後は王都へ行儀見習いなどで働くとしたらその際も働き口をご紹介頂けるのですか?」




