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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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「庭というのは豊かでなければつくり得ぬのです。人が居なければつくり得ぬのです。そうでなければただの空き地、野原です。人が作り、人が集まり、共に過ごすところ。平和であり、豊かであり、幸福である。そんな象徴とも言えます。もちろん家あっての庭ですので、ここは人々にとっての故郷でもあります。『金の庭』と讃えられるほど、昔から豊かで人々が幸せに暮らす土地だったのです。先の戦争のせいで大分国力も削られ、ここもその煽りを受けましたが、本来はそのような素晴らしいところ。国内でも最も古い郷の一つなのです。私はこの故郷を誇りに思っています。」


諸説ありとおっしゃるも、とても素敵な説であるこれを真実だと思ってしまう。

他には金の鉱脈が広がっていたなどの説は聞きかじったが、アルフレッド殿の説こそ真実だと信じてしまう私は何と単純なのだろう。


「アルフレッド殿、私もこのゴールドガーデンを誇りに思っていますが、今のお話しを伺い益々誇らしくなりました。かつての『金の庭』と称されるような土地にできるよう、民と心を1つに共に歩んでいくことができればと思います。民が豊かに暮らすことこそ金のように価値のあることだと信じています。」


「クレア様ならできますよ。貴女は変な貴族意識も無く、平等に人やものを見ることがお出来になる。民の暮らしを知り、民の暮らしを思う。それは王都の貴族には出来ないことです。…一部の方はそれをなさいますが。」


セドリック様ご家族のことだろうと思う。

特にベアトリス様。

お茶会が終われば一段落つけると思うので、そこから各地を視察に行こうと思っている。

ベアトリス様にアドバイスをいただいた通り、もっと領内のことを知り、人々と心を通わせたいとあれからずっと思っている。

これからは頻繁に各地へ顔を出したいため、その機会をどのように設けるかを思案しているところだ。

皆が私の視察に慣れてくれれば、特に理由を付けずとも気軽に各地へ顔を出したいが、迂闊に独り歩きはできないため、当面は理由をつけていかねば。

また誘拐事件のようなことが起こりかねない。

もう誰にも迷惑をかけたり、傷つけるようなことはしたくない。

王太子妃候補ということで誘拐に限らず命を狙われることも考えられるからこそ、今は物事を慎重に進めねばならない。


「私ももっとフットワーク軽く民に混ざっていきたいのですが、今度のお茶会で人脈を広げつつ、そこから市井に少しずつ交わろうかと思っています。」



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