表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
280/398

280


「「「「「はいっ!」」」」」


手際良く材料を計り、具体的な調整量を料理長の指示のもとで調理していく。


さっきまでが嘘のように美味しそうなクッキーとパウンドケーキが出来上がった。


みんなで味見をすると、料理長は褒め称えた。


「素晴らしいお味です。ハーブの分量も絶妙ですし、焼いてもハーブの香りが飛ばずに大変美味しいです。私では『美味しいお菓子』としては作れても、こうもハーブを活かしきれません。これならゴールドガーデンの人気商品となるでしょうね。今後の参考にさせて頂きます。」


その言葉にみんなで喜んだ。

褒め上手な料理長に感動する。


「僕とっても楽しかった!美味しいお菓子を作れたし、大好きなみんなと食べられて良かった!今度はもっとたくさんの人にも食べてもらいたいね!」


ダンの欲求は更なるステージへステップアップしたようだ。


ハルバード殿にもお裾分けし、ダンはそれはそれは褒められた。


「ダン、お前さんはこんなちっこいのにやる気もあって、実際成果も出して、朝から夜まで粘り強く根気もあって。すげぇやつだな!俺の人生で食ったものの中で1番うめぇ!ダンは天才だな!ガハハハ!」


大変上機嫌でダンをベタ褒めし、この発言以外にも口を開けばダンを絶賛していた。

そのためダンは大変満足気にドヤっていた。

そんなハルバード殿がダンの挑戦中に何をしていたかと言うと、衛兵たちと訓練という名のかわいがりというか、拷問というか…とにかく、衛兵たちの士気を高めてくれていたのだ。

…皆気が引き締まったことだろう。


美味しいお菓子を夕食代わりに食べ、それぞれが達成感と疲労感が猛烈に襲いかかってきたことから解散した。

特にダンは食べたらウトウトと船を漕ぎ始めた。

ハオマとアシャも部屋へ戻り、エレナとお茶してその日は終わった。


こんな日があっても良いかな。

目標に向かってみんなで力を合わせて考え、実践する。

トライアンドエラーをみんなで繰り返しながら成功させる。

失敗しないことばかり考えていたが、失敗しても良いのだなと思えた。

失敗しても、結果的に成功できれば良いし、失敗したからこそ学べることもある。

そんなことは当たり前のことなのだが、実際に1人じゃなくみんなで経験できたからこそそう思えたのだ。

失敗することは許されないと勝手に思い込んでいたことに気づけた。


私は1人じゃないし、一緒に頑張ってくれる仲間がいることを再認識した。

今までも私には仲間がいると認識していたが、心の奥では理解できていなかったのだなと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ