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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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特に問題もなくゴールドガーデンへ戻り、いよいよ今日は議会の選挙当日だ。


王都から戻ってからは目まぐるしく準備やその他の仕事に追われた。

今のところは大きな問題もなく無事にこの日を迎えられたことが嬉しい。


立候補者は現在のメンバーに加え、一般候補者2名が出ている。立候補者も事前に人柄などを調査し、特に人格等問題の無い方であったため、選挙を経てとはいえ議会はこのメンバーで決まるだろう。


そうこうして選挙の投開票をすすめていると、レティシア医師からブルーベル様についての報告のお手紙をいただいた。


『前略 

 先日ご紹介頂きましたブルーベル・ペリウィンクル様についてご報告申し上げます。

 病名:マンドレイク中毒

 症状:トリフォリウム病様の症状を呈す

    ・繰り返す発熱

    ・せん妄

    ・顔面紅潮       など

 内服処方し、週一回程度の診察で経過観察していきます。

 ご紹介ありがとうございました。     草々

             レティシア・ライサンダー』


やはりマンドレイクによる中毒症状であったようだ。

マンドレイク殿も複雑だろう。

自分の名と同じ植物が原因だなんて。

それに、マンドレイクが自然に体内に取り込まれるとは考えにくいため、これは事件性が高いと判断されよう。

レティシア殿が領主へ届け出れば事件が明るみとなり、何らかの対処がなされるはず。

ただ、これでアナベル様が処罰されてはペリウィンクル商会が立ち直るには大変厳しいと言えよう。

これから先はマンドレイク殿からか、噂で確認するしか無いが、下手に首を突っ込むと巻き込まれるのだからマンドレイク殿からのSOSでも無い限りはこちらからは立ち入らないつもりだ。


私はゴールドガーデン領主としての立場とともに、今は王太子妃候補でもある。

下手に誰かのために個人的にであっても肩入れしては、公平さなどからも私をよく思わない人間からは揚げ足を取られかねない。

領へも、王家へも、不利益となることはできない。

この件は一旦忘れよう。


でも、ハオマにはレティシア殿の診断について報告しておこう。

あくまでも診断結果だけ。

他は知らないし、知ってもこれ以上は話題にしない。


アナベル様が取調べを受けたり、処罰されるとしたら、万が一というところではハオマも勝手に薬を出したりしていたあたり巻き込まれる可能性もある。

だからこれ以上首を突っ込ませない。

この件はあくまでも『そういう症状向けの薬を調剤しただけ』ということでハオマには終わってもらう。


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