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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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特に末のお嬢様のエマ様には可愛い賛辞をいただいてほっこりとした。


「クレアしゃんおひめさまみたいね〜!きれいね〜!わたくしもおひめさまになりた〜い!おーじさまにあいにいくの?けっこんする〜?」


お伽話に憧れていらっしゃるようで、エマ様もいつか王子様に出会って結ばれたいということもおっしゃられ、大層微笑ましく皆様も笑顔だ。


オスカー様とイーサン様は照れたようにオードリー様の後ろに控えていらした。

オードリー様はお世辞を述べられ、私も驚いた。


「私があと5年早く生まれていれば私にもチャンスがあったのでしょうか。それが残念でなりません。」


10歳だとアシャくらいなのだろうが、随分とおませさんだ。

女性にお世辞が言えるだなんて、さぞ社交界でもおモテになるだろう。


「クレア、本当に綺麗だね。君の母上を思い出すよ。アーノルドにも見せたいものだね。さて、そろそろ出ようか。」


セドリック様に促され、馬車で王城へ向かう。

到着後は一旦控え室に通され、再度身支度を整えてから縁談の会食となるそうだ。


支度はエレナがつつがなく行なってくれており、ひたすら到着を待つばかり。


セドリック様がご挨拶なさってから私もご挨拶するということになっている。

我が国での通常は、王家との婚姻については大臣なども含めた会議で見合った身分と教養、人柄などから候補が上がり、舞踏会などで顔合わせ的なご挨拶をして、対象となる王家の男性のお眼鏡に叶った御令嬢がダンスのお相手を務め、そうして候補者を絞っていくそうだ。

そうして残る最終決定は縁談として見合いがすすめられ、父親のプレゼンテーション(王家にとっての利益などや、娘御のアピール)と、あとは双方のフィーリングで決めていくようだ。

今回殿下のお相手は私しか対象として挙がっていないそうだ。

舞踏会でも殿下は私以外の御令嬢とは踊っていらっしゃらない。

『候補者の候補』とでも言う対象者はもちろんいるのだ。

しかし、殿下にその気が無いため縁談もすすまず。

しかも一度強制的に組んだ縁談の場ではかなりあっさりときっぱり婚姻の意思がないことを相手方へ伝えられ、一時王家の立場を揺るがしかねないほどの信用問題と発展したそうだ。なんでもお相手はかなりの有力者の御令嬢であったそうだ。お相手は名誉のためか伏せられているが、噂ではと言うレベルでは特定されている。


今回はそんなこんなな前例のある中での、殿下からの求婚であったために私のことはかなり噂になっているようだ。

縁談がいつかは秘密裏に進められているが、貴族たちはアンテナを張って敏感に察知している。

その証拠に、ゴールドガーデンとの今後の親交をとの名目のご挨拶として訪問される貴族や、アクセサリーなどの贈り物が多く届いた。

あわよくば見合いの席に付ければ少しは話題に上がれるのではという目論見のようだ。


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