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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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おそらく議長のトラバース殿が1番食わせ物だ。

にこやかな笑みを崩さずに、それでいて一般市民を軽んじて。

私のことも議長の立場上非難しなかっただけで、私を非難した議員たちは議長の取り巻きだろう。

私の喧嘩腰になってしまった発言後に、言い返せずアイコンタクトをしているのを見た。

私とは会議前に直接お話ししていたにも関わらず、事前にゴールドガーデンの税についての意見を求めることも相談されなかった。

突然話を振って、しどろもどろになることを期待して恥をかかせようとしたとしか思えない。

私の被害妄想かもしれないが。


何にせよ、議会があまり良い働きをしていないということは感じられた。

井戸端会議レベルだろう。

私はオリバー殿をはじめとした支えてくださる人々に恵まれた。

お陰で確信できた。

ゴールドガーデンはこの国で最も繁栄する。私の代で。

なんて自惚れるほどに私の領地は経営陣が優秀なのだから。


会議の資料作りを急ごう。

改革は1年で終わらせなければ。

2年目以降の私は、最終的な結果を出さなければどうなるのかわからないのだ。

このままこの身分に留まれるのか、あるいはテッドが領主となり私は表舞台から引退するのか。

捕らえられることはきっとないだろうが。


マイナス思考は止まらない。

元々ポジティブでは無いのだ。

私の人生が良いことよりも悪いことの方が多かったし、長かった。

またあの孤独な生活には絶対に戻りたく無い。

そして、あんな孤独を私の愛するみんなに味わわせたく無い。

絶対に幸せになってもらう。幸せにするんだ。


ゴールドガーデンへの想いが高まる。

何としても国一番の領土へ返り咲く。


私の考える議会案は具体的なイメージが膨らみ、あとはオリバー殿やテッドなど皆さんへもっと改善点がないか審議するのみとなった。


早速明日会議としよう。

善は急げだ。会議出席者のスケジュール管理が大変だろうが、とにかく早く為さねばならない。


今日はもう寝よう。

馬車の硬いいすにクッションを置き、横になる。

私はどんな粗末な場所でも眠れるのだから。

馬車なんてむしろ贅沢なくらい。


うたた寝でも夢を見られるだろうか。

ゴールドガーデンの、私の、明るい未来が見えるだろうか。

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