表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
234/398

234


翌朝、マンドレイク殿が早く動き出す可能性を考慮して、朝一番に朝食前だがオリバー殿とハオマを呼び出して、執務室で話し合いをはじめる。

事前にハルバード殿の見解を伝えた上で。


「まずはハオマ、マンドレイク殿の性格など行動パターンから今後どう動くと考えられますか?」


私がそう切り出すと、ハオマは少し考えて話し出す。


「そうですね。ここに来る前のマンドレイクさんはかなり焦っていて、僕に対して本性なのか暴言や脅迫が表に出るほど追い詰められている印象でした。その上でエレナの提案をわざと飲んだとしたら。まぁエレナの提案に乗らない方針だとエレナも納得しなかったでしょうし、代替案を提示することの意味も無かったのでしょうね。それで見張りも外しているとなると、こちらを安心させて油断をさそっているのでしょうか?マンドレイクさんは意外とねちっこいご気質です。急いでいるからこそ今日、明日にも動き出す可能性があります。そして、何度も何度も訪ねてくる可能性も。僕が出てくるのを待ち構えて連れて行こうとする可能性すらあります。僕は当面行商にも薬草採取にも行けません。」


やはり早く動き出す可能性が高いか。


「オリバー殿、そういうわけで、基本的にはマンドレイク殿がいらしたら私で対応致しますが、来週私は王城へ招かれております。それまで長引く事態になれば、オリバー殿にもご対応頂かねばなりません。私で対応するにしろ、オリバー殿にもハルバード殿にもご同席頂いて、あちらの出方をよくよく観察して頂けたり、適宜アドバイスして頂きたいのです。」


オリバー殿も同意してくださった。


「マンドレイク殿はハオマを返せと要求するでしょう。これにはどう対処しましょうか。『ここには居ない』『帰るつもりは無いそうだ』では諦めずに粘着する可能性もありますね。それなら『流涎香は残念ながらよくできた偽物でした』ということにして、ハオマは本物を探しに既に旅立ったというのはいかがでしょうか?」


それはそれで怪しまれそうな気もするが…。


「何もマンドレイクさんに連絡も伝言も残さずにここを発ったと言うのはちょっと信じてもらえないと思います。それにアシャのこともありますから、アシャだけでも戻るよう言われたりするかもしれません。アシャも一緒だと言っても、やはりそう危険な旅となるかもしれないのに余計信憑性に欠けます。」


ハオマはいつも行商に行くとしても『いつ戻る』など伝えて出かけていたのに、非常事態だからこそ勝手に行動するというのは信じられないだろう。

それに、その後のアシャやハオマが身動きが取れなくなってしまう。

このまま城に匿っておくだけの生活なんて彼らは望まないだろうし、私もそれは避けたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ