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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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確かに。

ハルバードの言うこともわかる。


しばらく考えたのち、クレアが閃いたようだ。


「マンドレイクは金を流したい。アナベルは金で儲けたい。でもその流れが滞っているなら?アナベルはマンドレイクから金を得るだけの財が底を尽きかけてるとしたら?一時は金を格安で手に入れて利益を出せても、それが続かなければ結局は取引ができないわ。ブルーベル様に復帰して頂ければまたペリウィンクル商会は復活して、マンドレイクとの取引ができると考えているのではないかしら?本当に病は自然に罹患したのかしら?人為的に…例えば毒とかでトリフォニウム病になったりしないかしら?あるいはトリフォニウム病に近い症状が人為的に起こらないかしら?ハオマはどう思う?」


ハオマも軽々しいことは言えないとわかっているようで、慎重に考えている。


「おそらくそれは可能です。言われてみると、トリフォニウム病にしては症状が長引きすぎている。通常1か月程度で軽快し始めるはずなのに、ブルーベル様に初めて薬を作ってから既に3か月が経っています。…なぜ気づかなかったんだろう?致死量に至らない程度に弱めた毒を継続的に盛っていたのかもしれません。それなら緩徐に毒が効いて、あとは投与量を調整しながら投与すれば、毒が薄まった時は解熱や活動もできる。擬似的にトリフォニウム病の状態にできます。長期的に毒を投与したからこそ、毒の投与をやめても難治性になっているのかもしれません。ただ、いずれも証拠は無いので推測に過ぎませんが。」


全ての前提は憶測の域を出ないが、ブルーベル様が『ローズ様』だとして、アナベル様が商会を乗っ取ろうとしてブルーベル様に毒を盛ったものの、経営が傾いたためブルーベル様の治療をして再び経営を改善して欲しいのではないか。

マンドレイクも、何らかの事情により金を金銭に替えたいから取引再開を願って治療をしたいと思っているのではないか。

…というのがまとめ。


これらのことは全て推測でしかないため解決はできないものだが、マンドレイクの金の採掘については証拠があれば国王陛下へご報告できるのに。


この話しは一旦終了。

次に、ハオマとアシャ、ダンの今後について。


ハオマはハーブ園の相談役ということでゴールドガーデンに居住する。

アシャも、ハーブ園と提携する調香師の下で住み込みで修行する。学業はおおよそ修了できているため、修行に専念していく。

ダンは、一旦クレアの弟ということにして教育を受けさせ、将来のことはまた1年後に本人に意思を確認してから養子縁組をしていくこととなった。まだ幼く、まともな教育も受けていないから自己決定が難しいという判断になった。

とは言え実際のダンは賢く、思い切りの良い選択ができてはいるが。

ディアス家は男子が居ないため、家の存続のためにもいずれは男子との養子縁組または婚姻にて婿をとる必要がある。

血統も重要だが、家の存続の方が重視されているのがこの国での一般的な貴族の在り方だ。


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