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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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小声のこそこそ話を終わらせ、通常の会話をする。

マンドレイク様がまだいらっしゃるかわからないけど、私たちがあまり静かすぎるのも不審がられるかもしれないから。


今話したばかりのハーブ園のこと。


今はまだ3品目で考えており、土づくりなどもうまくいっているからこれから規模を拡大していくことなど、今後の展望を話した。

機密事項というほどのものでは無いし、ハーブ園の存在を知るは人が増えたほうが今後は宣伝してもらえるし、ハオマなら更なる良いアドバイスをくれるだろうから話しても問題ない。


そしてゴールドガーデンの良さもさりげなくアピールしつつ、ハオマがゴールドガーデンへ来てくれたらななんて考えている。


ハーブ栽培や加工のアドバイスを受け、夜も更けたためまた明日と互いに告げる。


『また明日』


前は毎日そう言ってそれぞれの家に帰った。

あの日も。


いつもと同じように笑顔で別れた。

あの日の「また明日」は今日ようやく来た。

待ちに待った『明日』。


やっと私の時計の針が進んでいく。

再び心を通わせて、互いの気持ちがあの時と同じく繋がるのだろうか。

それとも、このまま友として?

何にせよ2人と会えたこと、また友として交流できることが嬉しくて仕方がない。


クレアに報告するのが楽しみ。

ハオマを見つけられたのはクレアのおかげだ。

もちろんマリー様にも感謝している。

1人では決して見つけられなかっただろう。

私がシャムロックに来るという機会もなかっただろう。


興奮に近い感情の高ぶりを自覚しつつ、今日の『また明日』の約束のため明日に備えて休む。


アシャともまた話しをして、『また今度』と約束することを想像しながら目を閉じる。


初恋の甘酸っぱい気持ちってこんな気持ちなのね。

両想いだったけど、気持ちを伝えぬままに別々に生き、大人になって。

ようやく。ようやく私の初恋は終わった。


人生2度目の恋をしよう。

まだまだ人生は長い。

私たちはまだ若い。

ハオマに会って、気持ちが変わらないどころか膨らんでいく。


変わらないというのは多少の語弊があるか。

『好き』というカテゴリー的には変わらない。

でも子どもの頃の恋心よりももっと、相手を強く求めてしまうようなそんな気持ちになった。

同じようで違う。

人生を共に歩みたい。

ずっと一緒にいて、どんな時でも互いに支えとなれるような関係になりたい。

あのたくましい腕の中で守られたい。


段々と欲深く、わがままな気持ちが芽生えた。

子どもの頃の恋心は見返りは求めなかった。

今私は、ハオマに愛されたい。

欲張りでわがままな私に気付いてしまった。

ハオマがこんな強欲な私を知ったら幻滅するだろうか。


目を瞑ってもそんなことばかり考えて、中々眠れない夜だった。


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