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静寂と沈黙の彼方の喧騒  作者: あい。
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ハオマにもアシャに報告したのと同じように近況を報告し、またこれからも友として手紙のやりとりや、時々会えたら良いねと話していると、日暮れが訪れた。


ハオマと共に門まで行き、ハルバードとダンに合流した。


「僕の家なら是非泊まって欲しいけど、僕たちも居候の身だから勝手には泊められなくてね。ごめんね。」


ハオマは申し訳なさそうに言うと、オススメの宿と、食事処を教えてくれた。


早めの美味しい夕食を食べ、私とハオマはハオマの部屋へ戻る。


アシャもはじめは一緒に楽しく話していたが、明日は早朝からエッセンシャルオイルの抽出のための花摘みをするそうで、かなり早い時間であるが部屋へ戻って行った。


ハオマと2人きりになると、急に緊張してきた。


これから何かあるわけでははないし、ただ楽しく話をしたいだけだが、何を話したら良いのだろう?

どうしたら良いのだろう?


色々と考え始めた頃、ハオマがクスクス笑いだす。


「ねぇエレナはまだ結婚してないの?婚約者とかは?夜に男の部屋に若い女の子がいるなんて変な感じだね。」


同じことを考えていたようだ。


「私はまだまだ1人よ。結婚なんて早いもの。仕事が楽しいしね。ハオマは?」


「僕も同じだよ。アシャも僕もまだ独り立ちしてないし、仕事でそれどころじゃないかな。良かったよ。エレナがまだ独身で。」


ドキンと胸が高鳴る。


「え?」


「だって既婚者ならこうして話をするだけでもあらぬ疑いをかけられるだろう?まぁ独身でも変な想像する人はいるだろうけど。でも少なくとも不貞ってことで罰を受けることは無いからね。」


…なんだ。

一瞬期待してしまった。

世間体のことで私が『独身で良かった』んだ。

まぁそうだよね。


「そうね。ハオマは結構あちこち行商に行くの?ゴールドガーデンには?」


気まずさから話題を変える。


「そうだね、ゴールドガーデンは割と野生でも薬草が育つ良い土地だからあんまり需要がないんだ。だから滅多に行かないかな。珍しいのが入った時くらいかな。でもこれからは通り道にして寄ってくよ!」


「嬉しいわ。ハオマとアシャの元気な顔が見れるのが1番だけど、少しでもハオマに会えたら話しが聞けるものね。」


私がそう言うと、ハオマは満面の笑顔になった。


「僕たちずっとエレナに会いたかった。僕がエレナには言わずに出ていくことを決めたのに、いざ会えないのが寂しくてね。前にエレナに会いにエレナの実家に行ったんだ。行商のフリして。でもエレナはもう王都に居なくて、家の人もどこにいるのか教えてくれないし。自分勝手なのはわかってるんだけど、僕の都合で出て行って、僕の都合で会いたいなんてね。ただのわがままだ。だからバチが当たったんだと思ったよ。」


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